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平成25年5月27日(月曜日)
午前9時30分から午後12時10分まで
市役所第二庁舎4階 会議室2
根岸茂夫、石山哲夫、小林英郷、岩崎信丈、佐藤善信、蔵持重裕
教育総務部長 小山 忠彦
生涯学習スポーツ課長 池田 秋義
同副課長兼生涯学習係長 谷口 龍一
同主任兼学芸員 斯波 治
同主任兼学芸員 川端 真実
同主事兼学芸員 川畑 隼人
公開(傍聴者0人)
なし
午前9時30分開会
開会にあたり、根岸委員長から挨拶があった。
会議を根岸委員長の進行によって行った。
現地にて、普光明寺山門の劣化状況と修復工事の内容を事務局が説明する。
資料1に基づき、事務局が説明する。
委員長:事務局の説明や現地視察をふまえ、御意見・御質問を伺いたい。まず、修理が必要という点については、同意していただけるか。
<委員同意>
委員長:同意が得られた上で、修理の内容についても審議していきたい。まず、普光明寺側としてはペンキを塗った部分をそのまま塗り替えたいということだったが、その点はどうか。
事務局:指定当時の状況は、ペンキが塗ってあった。木材を傷めないようならペンキを剥がしたいが、傷めてしまう場合の対応を考えなくてはならない。
委員長:本来は白木だろう。
委員:修理によって、建築当時の状況に戻すのが望ましい。今回はそれを調査することはできないのだろうが、調査に準じるような情報がほしい。
事務局:修理報告書を作成させ、修理の過程や図・写真等の記録を提出することを条件にしたい。将来の修理のため、普光明寺と市教育委員会でそれを保管する。
委員:修理中に棟札が出たら連絡が来るのか。
事務局:必要に応じて、工事に市教育委員会が立ち会う予定である。
委員:文化財保護審議委員としても、修理報告書だけではなく、現地で修理の途中経過を視察したい。門扉については、全てを新規に取り換えるのか、現在の材料を締め直すのか、一部を取り換えるのか、枠を残して板を換えるのか。
事務局:枠を残して板を換えるが、板で古材と新材を組み合わせるのは難しいので、全て新材になる。金具も合わせて新調する。
委員:現在、門扉は開閉しているのか。
事務局:開けたままになっている。
委員:扉として利用していないなら、修理する必要もないのではないか。
委員長:取り換えた新材には古色をかけるのか。見積もりに含まれているか。
事務局:白木のままだと、枠との違いで目立ってしまう。見積もりにも入れてもらうようにする。
委員長:江戸時代後半にできた門であるが、類例が見当たらず、特異な門でもある。修理をしながら、建築当初の経緯もわかるような作業を進めてほしい。そのため、修理工事中には市職員の監督があるのが望ましい。普光明寺山門は県指定文化財になる可能性もあると思っている。現況を放置できないが、修復もしすぎないようにしてほしい。体裁だけを整えて、創建時の形が失われては困る。過去の修理で改変された箇所もあるだろう。そのような経過も、今回の修理の中でわかるとよい。調査を重ね、監督も丁寧にしてほしい。そう考えると、現在の修理見積り額では不足するのではないか。
委員:材料次第で値段は大きく変わる。修理部材についても、この場で審議すべきだ。文化財の価値が失われては困る。
委員長:現状はケヤキ材だと思うが、今ケヤキ板を入手するのは難しい。
委員:普光明寺側としては、見た目だけを重視しているのではないか。文化財としての価値を認識してほしい。
委員:形だけを直せばいいというわけではない。
委員:今日の資料だけでは修理の詳細がわからない。仕様の明細は届くのか。
事務局:お願いしてあるので、届く予定である。
委員:今回の修理では、隣にあるくぐり戸には手を付けないのか。
事務局:山門だけの修理である。
委員長:瓦を焼くだけでも費用がかかる。下もコンクリだったが、少なくとも創建当時のものではない。
事務局:雨落ち溝の所にあった石が敷かれていたと推測できるが、確証はない。
委員長:門扉の金具もいつのものか。昭和の修理なのか。普光明寺は、山門を市全体の財産として認識してもらいたい。
委員:寺側の関心度次第で、修理内容が変わってしまう。
委員:教育委員会に相談する前に、業者の見積りをお願いしていたというのも、良い状況だとは思わない。
委員:安い材に変えると、あとで折れてしまいかねない。
委員長:他の材に替わってしまってよいとは思わない。
事務局:最初はもっと低い見積りだった。それが値上がりしている。見積りをしたのは浅草の業者で、文化財修理の実績もある業者である。
委員長:今回の審議で修理を認めると、その後、審議する場はあるのか。
委員:普光明寺側として、後から変更を加えることはできるのか。また、市側としても、そのような手続きは可能なのか。事業費の変更はできるか。
事務局:平林寺で屋根修理を実施した際、追加工事の費用は平林寺が負担した。業者側も細かく見ているようなので、事業費の大幅な変更はないだろう。
委員:現状を見ると、修理は認めざるを得ないが、もっと市の指導や意見を反映させたい。経過報告もほしい。
委員:補助金を出すなら、様子を把握しに行きたい。また、新規材という言葉が目立つが、できるだけ残してほしい。取替えた材については、廃棄処分してしまうのか。
事務局:瓦の葺替えについては、古いものを残してほしいとお願いする。大和田氷川神社拝殿は指定文化財ではなかったが、修理をした時にお願いをして、古材を再利用した小さな社を作ってもらった。
委員:瓦も残しておくべきだろう。鬼瓦についてはどうするのか。産地を選ばず安易に交換すると、文化財としての価値がなくなってしまう。業者任せにはできない。
委員:瓦は外注するのだろうが、どこで焼くのだろうか。産地はどこか。
事務局:現状の瓦の産地についてはわからない。産地同定も難しい。
委員:瓦もよく調査して、同じ産地のものにすべきだ。
委員:費用が問題になるなら、奉納瓦にして、寄付金を募るという手もある。
委員:年度内に修理は完了するのか。
事務局:工期は半年くらいで終わる予定だと聞いている。
委員:鬼瓦も作り直すのか。
事務局:予定ではそう聞いている。使えるのであれば残してほしい。
委員:修理して文化財としての価値・評価が落ちてしまっては意味がない。過去の修理歴を部材ごとに調査し、資料を増やすべきだ。
委員:もっと詳しい仕様書を見ながら審議したい。現状では資料が足りない。
委員:補助金だけもらって、勝手に修理されては困る。
委員:平林寺建造物群の修理を審議した時のように、業者から直接、修理の説明を聞きたい。
事務局:業者の実績にも関わるので、修理に手を抜くとは考えにくい。
委員長:修理が必要という点については同意するが、市が業者側に細かな指示を出せるように、仕様書の中身を審議しなくてはならない。申請書の写しを見ながら審議したかった。野火止用水の現状変更を審議する際も、申請書を見ながら議論していたように思う。
事務局:補助金の申請書は出ているが、文化財の修理届等は提出されていない。
委員長:文化財の修理届等が提出されたら、その写しを委員に送り、意見を伺うようにしてほしい。
事務局:提出され次第、委員の皆さまへ郵送する。
資料2,3,4に基づき、事務局が説明する。
委員長:歴史民俗資料館の今の職員の体制はどうなっているのか。
事務局:非常勤特別職の館長が1名、再任用が2名、常勤が1名となっている。
資料5に基づき、事務局が説明する。
委員:観光・文化財案内の頒布を推進してほしい。市役所や公民館でもあまり見かけない。冊子や絵ハガキ等を配布してみてはどうか。新座百選等も実施したが、次につながっていないように思う。
事務局:検討させていただく。
委員長:文化財の市指定化については、常に候補一覧を出しておき、次に何を議論するのかを考え、話題に挙がるようにしておいてほしい。歴史民俗資料館のボランティア養成講座への参加者はどのくらいか。
事務局:今回は新座歴史文化財研究会を中心に、最初は10人くらいから始めたい。今回の成果も踏まえつつ、順次拡大していく予定である。
資料6に基づき、事務局が説明する。
委員からの意見は特になし。
事務局:平林寺建造物群の改修工事についてだが、県教育委員会や県文化財保護審議委員の意見を聞きつつ、所有者とも調整を行い、慎重に実施すべきという方向でまとまった。現状ではまだ工事着手していない。
委員長:建築専門の県委員による視察に同行したが、興味深い意見を多く頂いた。国の重要文化財にもなりうる建築との評価ももらった。
事務局:妙音沢が県の天然記念物候補となっていたが、市事業との整合を図りつつ、文化財としての価値が損なわれぬよう、担当課と協議していくこととなった。
委員長:県では朝霞の代官水が今年度の指定候補として挙げられていた。妙音沢については、候補に入っていなかった。武蔵野台地の縁からの湧水は、この地域の開発の根源でもあるので、評価は高いだろう。
午後12時10分、根岸委員長の挨拶で閉会。