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平成27年度第2回文化財保護審議委員会会議録

ページID:0038559 更新日:2015年8月27日更新 印刷ページ表示

開催日時

平成27年8月27日(木曜日)
午後2時から午後5時15分まで

開催場所

新座市立歴史民俗資料館 研修室

出席委員

根岸茂夫、岩崎信丈、佐藤善信、小林英郷、蔵持重裕、宮瀧交二 (全6名中6名)

事務局職員

教育総務部長 大熊 正
同部副部長兼生涯学習スポーツ課長 渡辺 哲也
同課副課長兼生涯学習係長 谷口龍一
同課主任兼学芸員 斯波 治
同課主任兼学芸員 川端真実
同課主事兼学芸員 川畑隼人
同課主事兼学芸員 大木さおり

会議内容

  1.  開会
  2.  挨拶
  3.  議題
    (1) 文化財の市指定化について
    (2) 文化財保護審議委員会視察研修について
    (3) その他                                                                                                                                    
  4.  平林寺現地視察
  5.  閉会

 会議資料

  1. 次第
  2. 市指定文化財指定候補:優先度(案)
  3. 平成27年度文化財審議委員会視察研修先候補資料

公開・非公開の別

公開 (傍聴者0人)

その他の必要事項

なし

審議の内容(審議経過、結論等)

1. 開会

午後2時開会

2. 挨拶

委員長挨拶

3. 議題

(1) 文化財の市指定化について 

資料1に基づき、事務局が説明する。

<審議経過>

委員長:文化財指定候補それぞれに関し、何か意見はあるか。

委員:この一覧のみでは、それぞれ、いつの時代の資料なのかが分からない。「時期・年代」の欄を作るべきである。

委員:「予定期限」とされていると、本年度中に4件全てを市指定化することになる。事務局の負担がかなり大きいのではないか。予定期限とはせずに、優先順位のみで良いのではないか。

委員:予定期限は再考の余地がある。

委員長:予定期限は優先度であると読み替えて、各指定候補について「A」から順に意見を伺いながら、今年度に指定すべきものを考えていきたい。

委員:旧石山家の芝居道具は、市の指定を通り越して、県の追加指定でも良いのではないか。

委員:県指定文化財は、いつ指定されたのか、なぜそれが県の指定に成りえたのかを確認すべきである。また、今回指定しようとしている資料が、なぜ県指定とはならなかったのか、当時の県の担当者に確認する必要もある。何らかの理由があって外されたのか、当時は見落とされていた資料なのかで市指定に大きく関わってくる。さらに、指定化の作業を進める際には、他にも指定対象となる資料を再確認した方がよい。

事務局:平成6年3月16日に県指定となっている。県指定の経緯等について、再度確認させていただく。

委員長:野火止用水陣屋堀についてはどうか。複数の流れがある野火止用水の中でも、最初期にできたものであると考えている。指定対象とする範囲や崩落防止のための保護措置が課題となる。かつては水が流れていて、湿度もあっただろうが、現状は乾燥している。範囲について、測量図等はあるのか。過去の記録と現状を踏まえ、どのような状態に復元するのか、また崩落防止をするのか、他市町村の事例を参照しつつ、保存案の検討を含めた形で、指定の準備を進めた方がよい。

事務局:水路は市の管理であり、道路課が作成した500分の1の図面がある。再度詳細な測量を実施するためには、委託費として予算措置が必要な部分も出てくるだろう。指定範囲については、史跡公園の分岐点からが陣屋堀であるが、すでに廃絶・転用されているので、築堤部分のみを対象と考えている。水の流れを復元するのは難しいだろう。

委員:文章だけでは分かりづらいので、公図、実測図、写真等も用意してほしい。また、現地を視察したい。指定範囲は重要だが、保護措置については、指定後に検討してもよいのではないか。

委員:「野火止用水陣屋堀築堤遺構」は、風化が激しいため、早急に指定すべきである。市指定はそうした文化財を保護し、市民に対して周知をするという意味も大きい。

委員長:「西堀村開発関係資料」についてはどうか。「野火止新田開発関係資料」は県指定となっており、同時期に作成された西堀村についても指定の価値があるという案である。

委員:概要に書かれている説明文がよくわからない。

委員:指定化は資料調査、現状の把握、指定範囲の検討が必要となる。概要の文章については、意味をなさない箇所があるため、訂正をお願いしたい。

事務局:文脈が不明な箇所があったことを訂正してお詫びする。「野火止新田開発関係資料」は6冊のうち5冊が指定され、1冊は内容確認が難しい状態であるので指定されていない。西堀村開発関係資料は、同時期に作成された検地帳であるが、この6冊とは別に存在するものである。

委員長:これらの文書については、非常に丁寧な調査が進められている。その完了を待ち、「平林寺文書(近世)」として指定していく方法もある。

委員:最近の考え方では、資料群のうち、一部を抜き出して指定することは少ない。資料のおかれている保存環境まで含めて、一体的価値があると捉えている研究者もいる。委員長が提案されたような一括指定に賛成する。

委員:この資料も市指定の価値はあると思うが、平林寺で保管されている資料であるので、近いうちに保存が危機的状況に陥るとも考えにくく、急ぐ必要性は少ないと思われる。現在進行中の調査完了を待ってから、再度検討してもよいのではないか。

事務局:所有者である平林寺とも協議させていただく。

委員長:「野火止用水古絵図」についてはどうか。発見者である十文字学園女子大学の池間教授の功績を大切にすべきであろう。研究報告まで時間がかかるようであれば、市が発表の場を提供して、指定化に向かうべきである。

委員:まずは現物確認が必要である。その上で、市指定となっている「野火止用水古絵図」とどのような関係にあるのかを調査しなくてはならない。同時期に複数作られたものなのか、後に写されたものなのか、紙質等まで含めて、検討してもらいたい。

委員:他にも用水絵図を見たことがあるが、所有者が虫干しをしている時に散逸し、処分されてしまったという。

事務局:所有者や池間教授とも調整しつつ、まずは現物確認をしたい。

委員長:以降は事務局が優先度「B」としたものであるが、優先的に着手すべきものがあるかもしれないので、御意見を伺いたい。

委員:優先度というものは、何をもってのものか。一覧表を見る限り、指定化までの手続が簡単なのは、市史編さん時に目録まで作成された「本多昭英(本多伊右衛門)家旧蔵文書」や「鈴木宗孝家文書」であろう。手続が簡単なものから指定していくというのも一案である。

事務局:歴史民俗資料館に寄託等されている資料については、今回の審議会に先立ち、現状確認をさせていただいた。資料に目立った損傷・劣化等はないが、指定するとなれば、再度散逸がないかを再確認し、所有者とも再協議する等、手続を進めていきたい。

委員:「力石」は最近、各地で調査や集成が進んできている。市内ではどうか。指定してもよいが、周知を機に盗まれることもあるので懸念もある。

事務局:力石はすでに若宮八幡神社のものを指定している。指定後は境内の一画に区画を作っていただいている。野火止氷川神社の力石については、2点は確実に力石と言えるが、もう1点は判断が難しい状態である。所有者の許可を得て、力石であることの確認をする必要がある。

委員:力石は周辺住民への聞き取り調査等で、分かることも多いだろう。使っていた当時の話をまとめて、報告書を出してもおもしろいと思う。

事務局:聞き取り調査や盗難防止も含めて、調査を進めていきたい。

委員:「新井水車構造物」は雨ざらしのため、劣化が心配である。早急の対応が求められる。調書作成には、専門家による調査が必要であろう。近代化遺産や産業考古学の資料としても見直されてきている。

事務局:過去に歴史民俗資料館にいた学芸員が調査し、報告書の刊行や展示、模型作成等も行ったことがある。調書作成にあたっては、専門家の協力を仰いでいきたい。

委員長:「大河内・松平家歴代廟所」については、江戸周辺にあった大名家の墓が失われていった中で、貴重な例として残っている。所有者の協力が得られやすい時期に、指定しておいた方が良いと思う。

委員:『郷土史新座』に廟所の配置図が掲載されているが、簡単な測量調査しかされていないので、指定にあたっては、再測量した方がよい。

委員:中野の獅子舞の獅子頭については、鷲宮町の学芸員が調査を行い、展示を行っていたと思う。専門的な調査を行うならば、依頼するとよいだろう。

委員:「富士塚」については、かつて富士山の溶岩が置かれていたが、持ち去られてしまったようだ。富士講もかなり昔に解散してしまっている。

委員:今回の資料では、指定候補がどのような文化財であるのかがわからない部分が多い。指定化に際し、審議のもととなる資料の提出をお願いしたい。

委員長:様々な御意見をいただいたが、一覧にある文化財は指定化するに値するものであることは確かである。今後、資料の調査を継続していくことでよいか。また、今年度、優先的に指定化に向けた手続を進めるのは、「野火止用水陣屋堀築堤遺構」でよいか。

<委員一同、承認>

(2) 文化財保護審議委員会視察研修について 

資料2に基づき、事務局が説明する。

<審議結果>

研修先は、神奈川県藤沢市に所在する遊行寺に決定する。行程を検討し、時間的に余裕があれば、周辺の博物館等についても視察する。日程については、11月12日(木曜日)、19日(木曜日)が候補となった。

(3) その他

事務局より、嵯峨山遺跡16地点発掘調査が休止となった経緯について説明があった。

4. 平林寺現地視察

予定されていた平林寺仏殿の視察に加え、議題に上った野火止用水陣屋堀築堤遺構の視察も行った。

5. 閉会

午後5時15分閉会


新座市文化財保護審議委員会