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平成28年度第1回文化財保護審議委員会会議録

ページID:0051188 更新日:2016年10月4日更新 印刷ページ表示

開催日時

平成28年5月26日(木曜日)
午前10時から正午まで

開催場所

新座市役所第二庁舎4階 会議室2

出席委員

根岸茂夫、岩崎信丈、小林英郷、佐藤善信、蔵持重裕、 (全6名中5名)

事務局職員

教育総務部長 大熊 正
教育総務部副部長兼生涯学習スポーツ課長 渡辺哲也
生涯学習スポーツ課副課長兼生涯学習係長 栗山隆司
生涯学習スポーツ課主任兼学芸員 斯波 治
生涯学習スポーツ課主事兼学芸員 川畑隼人
生涯学習スポーツ課主事兼学芸員 大木さおり
生涯学習スポーツ課主事補 泉崎葉子

会議内容

1.  開会

2.  挨拶

3.  議題

   (1)平成27年度文化財関係事業実績について

   (2)平成28年度文化財関係事業予定について

   (3) 文化財の市指定化について

   (4)平成28年度文化財保護審議委員会日程について

   (5) その他

4.   閉会

 

 会議資料

次第

平成27年度文化財関係事業実績…資料1

平成27年度埋蔵文化財調査一覧…資料2

平成27年度歴史民俗資料館事業実績報告書…資料3

平成28年度文化財関係事業予定…資料4

市指定文化財候補一覧…資料5

平成28年度文化財保護審議委員会日程表…資料6

公開・非公開の別

公開 (傍聴者0人)

その他の必要事項

なし

審議の内容(審議経過、結論等)

1. 開会

午前10時開会

2. 挨拶

委員長挨拶

3. 議題

⑴ 平成27年度文化財関係事業実績について 

資料1、2、3に基づき、事務局が説明する。

<審議経過>

委員:嵯峨山遺跡での現地説明を初めて行ったとのことだが、すばらしい。市民の関心を喚起することにつながり、文化財への理解を深めるために、すばらしい試みだ。伺いたいことがあるのだが、平林寺保存管理について、市民に対する説明は行ったのか?

事務局:平成27年度の事業実績の中で、掲載漏れがあったことをお詫びしたい。御質問のあった件について、3月21日に文化的景観の講演会として「武蔵野の雑木林を未来へ」という公開講座を行った。国指定天然記念物平林寺境内林保存管理推進委員会の委員である本間氏、福田氏、荒尾氏の講師3名をお招きし、その際に、質問や意見討論を活発に行った。

委員:伐採に対してネガティブな意見はないのか。

事務局:天然記念物を伐採してはならないということは聞くが、伐採しなければならないということは初めて知った、という意見や、貴重な草木は伐採せずに残した方がいいのではないか、という意見があった。

委員:資料3の表に関して、平成25年度の一般の来館者数が、平成24年度のそれに対して増えたのはなぜか?

事務局:歴史民俗資料館が主催する講座が増えた影響かと思われる。館内の研修室が片付いたおかげで講座を行うために使用できるようになり、講座を受けた後で、再度展示を御覧になる方々もいらっしゃって、少しずつ増えているのではないか。

委員:特別展や企画展を行うスペースはあるのか。

事務局:行っていないのが現状だが、実施するとしたらパネルを設置するといったことはできるかもしれない。講座にも活用している研修室という部屋が空き、スペースが少しできた。また、白瀬中尉に関する資料を寄託していただいて、平成25年から展示コーナーを設けている。

委員:嵯峨山遺跡の現地説明会は皆様に関心を寄せていただいたようなので、そういった一定の成果を企画展示するなりしたらどうか。歴史民俗資料館は工夫をして活性化する必要がある。

委員:当初は歴史民俗資料館を二階建てにする構想があったが、周辺民家の意向を含めて考えると難しいのではないかと思われる。建物の老朽化進行を考慮すると、建物を補強しながら二階を建てて、研修や企画展示を行えるスペースを作ることができたらよいのではないかと思うのだが、何か将来的な計画はあるのか。

委員:対策は多様に考えられ、直接来館しなくても、ウェブ上にアクセスするという方法でもいい。たとえば、豪雪地帯だと冬は来館者数が少ない。単に足を運んでもらうというだけではなく、総合的な活動から評価をするべきだ。そのような意味では活用がなされていると思う。

委員長:研修室はここ(第二庁舎会議室4)より狭い。委員がおっしゃったように、ウェブ上にお客様がどれくらいアクセスするのかを調べるとよい。建物に関しては、もう築40年くらいだろうか。

事務局:築35年だ。

委員長:そうすると、当時から耐震基準が変わっているので、一度きちんと診断した上で考えていった方がよい。また、展示についても、開館当時の展示物が残ったまま、後から新しい展示物を付け足しているので、統一感がない。一度整理して自由に展示を変えられるスペースを作ったり、年代順に並べて見やすくするのはどうか。(レイアウトするに当たっては)、新座全体の中でどういう位置付けにするかを考えるべきだ。たとえば、何か新しい博物館展示を考えるに当たっても、片山の歴史に特化するなど、様々な考え方ができる。そのようなビジョンを見据えて展示を考えていく必要がある。

事務局:おっしゃるとおり、歴史民俗資料館は老朽化が進んでいる。財政上の問題もあって進んではいないが、将来的な構想としては、西分集会所の脇に、(仮称)ふるさと歴史館を建設するための用地を確保している。さらに、歴史民俗資料館の周辺では、中央公民館や保健センターを含めて、複合施設建設の構想がある。それも含めて老朽化への対策を具体的に考えたい。また、4月から学芸員が資料館に配属され、展示替えを考えている。

委員:中央公民館との連携を図るべきだ。歴史民俗史料館の研修室は狭い。歴史民俗史料館に集合し、見学してから、中央公民館で講義するという流れがよいのではないか。

委員:平林寺境内林の伐採について、これから何年間かけて行うのか。

事務局:全体で15年間だ。現在、それを3期に分け、5年ごとに計画を行っている。将来的には、落葉広葉樹であるクヌギやコナラの部分は伐採して、萌芽更新させようという計画だ。

委員:萌芽更新のみを行うのか。苗を依頼して、植えるということはしないのか。

事務局:通常、萌芽更新は20~30年で行うが、現在の木は最後の伐採からの期間が長いため、伐った後の経過を見ると、平成26年度伐採地の萌芽率が半分くらいだ。周りを見ると、ドングリから生えた芽がたくさんある。それも現状のままでは多すぎるので間引かなければならない量だ。また、平成27年度伐採地においても萌芽更新が進んでいるところだが、そちらの萌芽更新率が低い場合には、平成26年度伐採地から出た芽を移して、雑木林の再生を図ろうと計画している。

委員:木を伐っている状態に驚いた。

委員長:確かに、(伐採された風景が)少し目立つ。

委員:温暖化が進んでいくと、広葉樹が残るのかという懸念もあるが、とりあえず、これからも続けていくということか。

事務局:雑木林の萌芽更新は皆伐が基本である。皆伐といっても、全ての樹を伐って萌芽更新を待つのではなく、部分的に状態のよいコナラ・クヌギや特殊な樹種は伐らずに残そうという計画である。残した木からできるドングリの実生苗も育てていこうとも考えている。また、針葉樹の中でもマツは残す方向で進める。特に、ドングリやコナラの実生苗が多いので、今回伐採した後に生えた実生苗を移植できる。今後の課題としては、移植をする時期についてだ。そのタイミングを逃すと、移植後に苗が成長しない。今年度はそれを実験的に試みる方向で進んでいる。

委員:樹齢の高い大木があまりにも多いため、伐らざるを得なくなっている。昔はヤマ全体の30分の1を伐って、薪や炭にしており、樹も30年経つと元に戻る仕組みだった。今回、根本から伐っているが、剪定して、雑木林の原型に近い造作があってもよかった。木を伐った後、ひこばえが出てきている。

委員:15年間かけて行うとすると、1年にどれくらい伐採するのか。

事務局:1ヘクタールから1.5ヘクタールほどの広さを伐採する。平林寺境内林の指定範囲全体(建物や墓地も含む)は43ヘクタールある。

委員:そうすると、15年経つと、15年前に伐った木はだいぶ大きくなる。そのような変化が市民の目に見えるようにしてほしい。

委員:日当たりはとても良くなっているため、木々の成長は早い。

委員:昔はしっかり萌芽更新のローテーションをしていたが、今は少し違う。そのような違いも含めて、子どもにも分かる説明をするべきだ。数年間はその変化が分かるため、もう少しおもしろい展示などがあればよいのではないか。

委員長:また、今まで下刈りを行わずに、何十年も出てこなくなってしまっていた植物があったが、伐採し始めたことでそれらが出てきたそうだ。

委員:バージンな植生などない。一般の方は入れないのか?

事務局:平成26年伐採地は一般の方でも見学することが出来る。

委員:そのような場所でガイダンスなどを組込むとおもしろい。

委員:昔は蕨が採れていたが、今はどうなのか。

事務局:一時減少した。平林寺が独自に余分な木を間伐するなどして、松林の周辺、大河内家墓地の裏辺りにまた出てきている。

委員:シュンランやギンランは出てきているか。

事務局:散策路においては少ないが、少し奥に入ると、近辺とは比べものにならないくらいある。そのほか、絶滅が危惧されている下草類が相当ある。

委員長:それらがあることは分かっているが盗掘されている。

委員:盗掘されているというのではなくて、そうされないようにすべきだ。

事務局:キンランは睡足軒の森に4株ある。また、サイハイランが平林寺の奥に生息しているが、睡足軒の紅葉亭の近くに咲いている。

委員:それは間伐したために生えてきたのか。

事務局:下草類に関しては、新たに生えてきたものも、間伐以前から生えているものもある。

委員:伐採して現状が変わってきたのだから、どういう環境変化でどのような影響があったのか、という伐採してからの変化を記録する必要がある。

委員長:実際記録をしているが、調査するたびに盗掘を発見する。

委員:そういう危険性のあるものを1か所に集めるような対策が必要ではないか。

委員長:伊豆殿橋から来る時に「こんなに伐ったのか」と思った。あのような場所で、市民の方に、今ある風景が段々と変わるということを告知した方がいい。雑木林を伐られたことに対する抵抗感はあるものだ。1年目はこうなる、2年目はこうなる、というパネルを置いて、将来的に再生することへの理解を得るべきだ。

委員:もう少し、市民が論理的に理解できるようにするべきだ。

 

(2) 平成28年度文化財関係事業予定について

資料4に基づき、事務局が説明する。

 

(3) 文化財の市指定化について

<審議内容>

委員長:昨年度は丸吉講は候補に入っていたか。

事務局:今年からだ。候補の表の5番までが文化財として早く指定できるもので、16番以降が要検討のものだ。表の2a、2bに関しては、富士塚だけで指定をするか、それとも周りの資料と併せて指定するのか、という考え方があるので、aとbに分けさせていただいている。また、13番の榎本吉治家所蔵富士講関係資料に関しても、元々は丸吉講であるため、場合によっては、片山富士、中野富士、富士講関係の資料を総合的に見ていく必要があるのかもしれない。丸吉講関連の資料は文献がいくつかあり、石造物も各地に点在している。もし、2つを同時に指定するとなると、他の石造物はどうするのかという問題にもなってくるため、これらに関する下調べも進めている。さらに、丸吉講に関しては、広範囲に講の組織があったため、組織の分布や活動について、大雑把にでも把握する必要がある。

委員:丸吉講について、先行研究などはないのか。

事務局:残念ながら詳しい資料が無い。できればここでまとめる必要がある。

委員長:市史の民俗編や周辺の市町村の民俗編等に、多少資料が載っているのは記憶している。

委員:丸吉講以外に関する資料はないのか。

事務局:ある。たとえば並木氏のお宅にあった御手洗石には、「丸吉講」と記されていると思っていたが、「丸滝講」と記してあった。丸滝講という組織も近辺にいくつかあるため、両者の関係性を把握しなければならない。たとえば、清瀬市から練馬区の辺りまでは比較的大きな講組織があったが、丸吉講の組織によって建てられた富士塚に丸滝講の石碑が立っているという事例もある。

委員長:丸吉講が指定になっているのはどこか。

事務局:志木市と中里だ。市史の方には「片山七富士」と書かれていたが、7基ではなく9基から10基の富士塚が丸吉講によって築かれていた。

委員:中心地はどの辺りか。

事務局:片山の法台寺だ。それが、丸吉講の富士塚としては最古のものだ。

委員長:中里の富士講は都の文化財になっており、志木の富士講は県の文化財になっている。片山の富士講も何か指定されてもよい。

事務局:そのような意味では単独指定も検討してよいのかもしれない。しかし、田子山富士に関する史料を見てみると、さまざまな文献が網羅されているので、総合的に見た方がよいとも考えられる。

委員:法台寺の実測調査は行ったのか?

事務局:未実施である。冬にならないと調査の見通しが立たない。

委員長:富士塚だけ先に指定化した方がよくはないか。丸吉講もいっしょに指定化ともなると、市外まで広く調べなければならなくなる。実測をすると、(市外の)どこかと駆け引きを行うことにもなりかねない。

委員:並木氏がお元気なうちに聞き取りをまとめた方がよくはないか。

事務局:近いうちにまた並木氏に聞き取りをする予定だ。

委員:表の2a、2bは分けておくのが賢明だ。

委員長:富士講と並行して丸吉講の調査を別に行うのはどうか。とりあえず、今年度どれを指定化するのかを決めるのが課題だ。

事務局:力石に関してはまとまりつつあり、資料がまとまりさえすれば指定化できる。

委員長:表の2番の片山富士もできれば早めに実測をしたいが、今年度中にそれができるがどうかが問題だ。また、一番緊急なのは、実は表4番の野火止用水陣屋堀築堤遺構ではないかと思う。放っておくとどんどん崩れていく。先ほどのお話だと、野火止用水古絵図に関しては、もう少し調査を継続しなければならない。

事務局:いつ頃描かれたのかが明確ではない。資料館の古絵図が指定されたのが明治4年と書かれているため、その年か、それ以降の年に書かれたのだろうと思われる。今回拝見した資料には、それとほぼ同じことが書かれているため、同じ頃の写しであろうとは思われるが、もう少し明確にしたい。書かれている県名や地名もほぼ同じだ。しかし、その同時期に写したのか、あるいは時間が経ってから写したのかという点を検討しなければならない。委員のお宅にも古絵図があるのか。

委員:ばらばらなものならあった。

委員:何のために絵図を模写したのだろうか。

事務局:推測だが、それぞれの村で用水を管理していて、村長が必要としたのではないか。皆が全体の絵図を使っていて、志木にも同じような絵図がある。

委員:今指定している絵図の元になる絵図がどれかは分からないのか。

事務局:分からない。

委員長:資料館の古絵図はしっかりしていて、元に近いものであることは確かだ。あれは大和田村の公文書で、委員の絵図は菅沢村の公文書だ。今回の古絵図の寸法は測ったが、資料館にあるものはまだ測っていない。それぞれの性格がはっきりしているが、その中で長谷川氏のお宅の地図はどういった性格か、ということを考えていかねばならない。

委員:もう少し傍証が必要だ。

委員長:石山家の芝居衣装については、県指定衣装の調書に書かれていた経緯や、追加指定になるのかということを聞いてみるという話だったと思うが。

事務局:こちらに関しては、当時の担当者がおらず、追加に関しては分からない。経緯に関しては、芝居衣装を最初に資料館の永野学芸員が所在確認をして、石山氏から資料館に差し上げるというお話があった。しかし、量が多いため全てをいただくことが難しく、一部を入手した。その後、県の民俗文化財センターが残りをいただくことで話がうまくまとまり、結局、県の方へ譲ってしまった。資料館にあるものは、現在、特別収蔵庫に保管されている。

委員長:それでは、そちらは別のものとして考えるしかない。

委員:県指定のものは県指定として、所在はこちらにもある、ということにした方がよい。

事務局:市指定をして、県の追加を受けるのか。

委員長:市の指定にしてしまった方がよい。それぞれの調書が出来てから指定するべきだ。そうすると、今年度最も指定化の優先順位が高いのは力石か。

委員:力石は今年度末には指定できる。片山の富士塚は実測が必要だ。陣屋堀の遺構は測量図や予算の計上次第だが、今年度は難しい。

委員長:資料を作ってほしい。

委員:復元してから指定化できないのか。

事務局:基本的には指定してから、保存の計画を策定し、その計画に基づいて、整備や管理をする。

委員長:そうするとまず、次回資料として出るのはどれか。そこを考えながら、今年度せめて1、2点指定化していくようにすれば、段々と今後の問題を掘り下げていくことができると思う。指定化できそうなのは、力石だ。今までの話を総合すれば、今後の研究課題はあるにしても、力石の文化的価値そのものについての調書は書けそうだ。

事務局:どういう形の奉納なのかということについて書けないのが残念だが、調書は書けそうだ。今のところ、実際に行事が行われていたのかも分からない。今後、それについて解決できればと思う。

委員長:しかし、今後の話し合いでそれらの問題について確定できるかというと、できないと思う。それなら、今確定している資料的な問題や、現在の所在、地域の方々が関わって奉納したことが確かであることなどを考えれば、文化財的な価値を示すような調書は書けるだろう。

事務局:関根氏以外、おおよその地域の方の所在は分かり、また、力石を何らかの形で奉納していたことも分かった。石については安山岩だということが分かったが、詳細については分からない。

委員長:石については調査すれば分かりそうだ。

事務局:しかし、近辺に石屋がいない。

委員:これは野火止氷川神社の力石か。

事務局:そうだ。神明神社にも2基あり、1基は確実にある。報告では、6基あるということなので、調査していく。

委員長:陣屋堀の測量は、来年度に向けて予算編成するのか。

事務局:平成29年度の予算に計上できるよう、予算を編成する。

委員長:石山家の芝居衣装には調書が必要だ。

事務局:それに関しては、民俗の専門家に依頼したいと考えている。早ければ、今年度内に可能だが、相談をして専門家を紹介してもらう必要がある。

委員:その他に、7~15番は早急に行うべきだ。私は特に8番が緊急だと思う。新井氏の許可を得て出来ないかと考えている。

事務局:実測資料等は資料館にあるので、調書として使える。写真については、所有者の御理解を得なければならない。田中用水の上流にヤマタ水車があり、これが日本初の板紙工場だ。その下流にヤマニ水車があり、その2基が田中用水にあった。

委員:「日本初」というと、地域産業としては素晴らしい。

事務局:しかし、稼働期間が1年間とちょっとだけだった。

委員長:水車は、日本の近代産業の発祥だ。小麦粉やうどんを作って発展した。館林では、水車屋が日清製粉になった。

事務局:古くから平林寺に水車の歯車がある。平林寺内にあった水車のものと推測しているが、平林寺史を見ると、新座市最後の水車に該当する可能性がある。おそらく庫裏の近くに水車小屋として存在した。あの歯車は何とかしたい。

委員長:とりあえず水車は重要だ。黒目川沿いには、近世後期から伸銅工場があった。江戸城が焼けた際に銅瓦を作ったのは膝折村の水車による伸銅工場だ。伸銅工場が電化するようになってから、京浜工業地帯に進出した。近代工業の発祥が水車だと言える。だから、新座市に残っている水車を早めに指定して、そういった歴史のある土地であることを理解してもらうべきだ。

事務局:県内では狭山が水車を指定していると記憶しているが、水車は現存率が低い。水車自体の申請が少ないので指定したい。

委員長:指定のために何が必要かを整理し、それをどうクリアしていくのかという情報を表に加えてほしい。そうすればどうしていくべきかが分かる。また、所有者の賛否はどうなのか。

事務局:昨年、伺ってみたところ、相続税の心配をしていた。

委員長:そのようなことは、所有者の方は皆心配なさるが、調査だけはしておいて、保存する方法を考えておくべきだ。もし壊してしまっても、部材を残しておけるなら、そのようにしておけばよいのではないか。建造物というのは、壊れた箇所を新しい建材で修理しても、それはそれで価値のあるもの、という考え方がある。解体しても、部材を残しておくようにするのはいかがか。

事務局:和光市がそうだったが、建物を復元するということで市で建物を預かったが、市の指定ではないために、建築基準法に引っかかり復元できなかった。そのため、部材を指定して、指定文化財だから復元するという形にした。だから、所有者の了解が一番大事であるが、始めに指定しておくと解体がうまくいく。所有者と相談をして、どうしてもこの場所に置いておけないということであれば、市の方で解体をするなど、了解を得ると指定等がうまくいくと思う。

委員長:この水車も至急に調査を行うべきだ。優先順位を上げておいた方がいいかもしれない。11番、12番は調書があるので指定出来るのではないか。とりあえず今年度指定するものを1、2点挙げて、今年度指定していく方向に進めていくのはどうか。

事務局:1点として、力石を挙げる。もう1点は予算の関係で現在は不可能だ。11番、12番に関しては、資料館にあり、所在ははっきりしているが、96点全てが資料館に所在するのかが分からないため、調査するのに多少時間がかかる。また、点数の把握とともに、可能であればデジタルでの記録を行う必要がある。

委員長:点数がしっかり確認できれば記録は順次行えばいい。また、県指定の野火止新田開発関係資料も一度デジタルで撮影した方がよい。力石の指定化は至急とした上で、今回の話し合いの内容を踏まえた資料を次回出していただくということでよろしいか。

委員:予算措置を講じないと出来ないものと、措置を講じなくても出来るものに分けてほしい。

委員長:それも項目に記してほしい。市内に候補になるべき文化財がこれだけ多くある中で、それぞれの重要性、つまり市の文化・歴史・自然の中で、これらの候補がどのような位置付けなのかを、今後考えていかなければならない。

(4) 平成27年度文化財保護審議委員会の日程について

資料6に基づき、事務局が説明する。

第2回文化財保護審議委員会開催日程を8月29日(月曜日)に決定する。

(5)  その他

日本遺産について、資料別紙3に基づき、事務局が説明する。

4.  閉会

正午閉会


新座市文化財保護審議委員会