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平成29年度第3回文化財保護審議委員会会議録

ページID:0063905 更新日:2018年1月26日更新 印刷ページ表示

開催日時

平成30年1月26日(金曜日)
午後2時から午後5時20分まで

開催場所

新座市役所本庁舎(新庁舎)4階 401会議室

出席委員

根岸茂夫、岩崎信丈、蔵持重裕、宮瀧交二、本間暁 全5名

事務局職員

教育総務部長 渡辺哲也
教育総務部副部長兼生涯学習スポーツ課長 金子啓一
生涯学習スポーツ課副課長兼生涯学習・文化財係長 斉藤政
生涯学習スポーツ課主事兼学芸員 川畑隼人
生涯学習スポーツ課主事兼学芸員 笹川沙希
生涯学習スポーツ課主事兼学芸員 筒井麻由

会議内容

※ 現地視察

1 開会

2 挨拶

3 議題

 (1) 指定文化財の現状変更等について

  (1) 陣屋通りの歩道拡幅について

  (2) 平林寺境内林再生事業について

  (3) 睡足軒の屋根葺き替えについて

  (4) 睡足軒の森公共下水道切り替え工事について

 (2) その他

  (1) 文化財保護審議委員会日程について

  (2) 大和田二・三丁目地内土地区画整理事業に伴う埋蔵文化財発掘調査について

  (3) にいざ歴民だよりについて

4 閉会

 会議資料

・ 陣屋通りの歩道拡幅について …資料1

・ 平林寺境内林再生事業について…資料2

・ 睡足軒の屋根葺き替えについて…資料3

・ 睡足軒の森公共下水道切り替え工事について…資料4

・ 文化財保護審議委員会日程について…資料5

・ にいざ歴民だより

公開・非公開の別

公開(傍聴者0人) 

その他の必要事項

なし

審議の内容(審議経過、結論等)

1 開会

午後2 時開会

2 挨拶

委員長

3 議題

※ 現地視察

平林寺惣門にて集合し、以下の現地視察を行った。
・ 陣屋通りの歩道拡幅部分(道路課職員同伴)
・ 野火止用水
・ 再生事業伐採及び萌芽更新の状況
  (平成29年度の伐採状況、平成26年度~平成28年度の萌芽更新・実生育成の状況)
・ 大門通り沿いサクラ等の伐採状況
・ 睡足軒

(1) 指定文化財の現状変更等について

  (1) 陣屋通りの歩道拡幅について 

    資料1に基づき、事務局が説明を行った。

委員長:現地視察の際の意見としては、文化財としての価値を損なわないような景観に配慮してほしいと集約できると思うが、その他細かい点で何か意見はあるか。

委員:洗い場が橋の下に潜ることになるという話はどうか。

委員長:洗い場には何とか架からないかたちでできないか。架からないといっても、洗い場に降りる場所に架からないだけで、実際に洗い場となっているところは橋の下になってしまう。水神を祀っている場でもあったが、地域の方の信仰があるということには配慮してほしい。特に、地蔵の処置については、残しておかなければならないと思うが、所有者が不明なのでどうするかという問題がある。

委員:地蔵から道を挟んで反対側には庚申塔があり、橋供養と書かれていた。行き倒れた牛馬へなのか、謂われは分からないが、一緒に考える必要がある。できる限り現状を残すかたちで整備していただきたい。

委員長:地域の人と話し合わなければならないと考える。現在残っている、民俗・風習・信仰まで含めて残していくことが重要だ。

委員:用水があり、橋が架かり、お地蔵、庚申塔、何らかの一つの霊的、信仰的な場であるそのロケーションをどのように残すのかは、地元の人との意見交換をした方がよい。

委員:地蔵そのものは平林寺所有であるのか、それとも地元なのか。

事務局:地元のものであると考える。

委員:ならば余計に考えなければならない。図面では、地蔵の位置にセットバックのラインがかかっている。

委員:図面では、庚申塔は今回の工事ではないのだろうか。

事務局:将来的には、この先の産業道路まで拡幅したいという意向があるため、今回はないが、今後話が出てくる可能性はある。

委員:現状は、現場を子ども達が歩くのは危ないので、それは解消してあげたい。

委員:ましてや今日のような雪だと子ども達は車道にはみ出て歩くことになる。

委員:歩道の必要性に関しては、今現地視察で実感してきたので、歩道は必要である。しかし、改めるにおいては、文化財としての景観環境、そのあたりへの配慮だ。

委員:図面内で、洗い場に丸石が積んであるように記載されているが、そういったものでそのように維持する等、歩道だけであれば橋部分に光が入るようにするとか、全部コンクリートで被わないというような、歩道であればそのような対応をして、少しでもこの場の雰囲気がいい状態に保たれるようにすべきである。

委員長:予算と広報の問題にはなると思うが、歩道部分を強化ガラスにしてみるなど、下が見えるようにする等の配慮をすれば、用水を認識するという意味でもよいのではないか。

委員:将来的なことを考えるのであれば、歩道と自転車道を分けて実施したほうがよい。先行投資ではないが、後からやるよりは、今回思い切ってやった方がよいのではないか。法面については、コンクリートで固めるのではなく、周りの景観に調和した方法をとっていただきたい。

委員:現地で道路課職員が言っていたように、補助金であったり、平林寺にお願いしてみるとか、平林寺と教育委員会で一緒になってやるとか、何らかのかたちでやっておかないと、1回やってしまうと50年くらい変えることはできないと思う。

事務局:法面の仕様をどうするか。また、現状では法面上にフェンスがある。現状変更許可申請ではその部分も含めて許可申請を進めるべきだが、このまま調整等が進んでいくと、コンクリート若しくはネットフェンスどちらかになる恐れがある。それも含めてフェンスがいいのか、生垣がいいのか、景観の配慮には何が適しているか、何かよい案があったら御指摘いただきたい。

委員:景観だけではなく、野火止の遊歩道にもくみ入れようとするのであれば、そのための廻って楽しいような状況にしなければ散策価値が減じてしまうと思う。価値を維持していくというよりは、今よりよい状態にしていくことを考えた方がよいと思う。それを考えると、低い石垣で、法面にして、生垣なりで、中の植生と調和して、中がある程度分かり、見られるようにした方がよい。

委員:これを機に、平林寺の西門を修理等したらどうか。

委員長:石垣がベストだと思うが、これも予算との関係だと思う。そして、生垣がよいと思うが、防犯上はあまりよくはない。現状のようなフェンスにして、中が見えるかたちにするのがいいのではないか。正面の惣門は今のかたち(生垣)でよいと思うが、人目につかない場所で何かあるとよくないので、今のフェンスの方がよい気がする。もちろん、見た目は生垣がよいが、自分が子どもだったら、生垣があれば登って歩いてしまう気がする。

委員:文化庁で今推奨しているもの等の指針はあるのか。

委員:場所により違うので、指針は作っていないと思う。整備としてどのようなかたちとするか等はあると思うが。

委員:インターネットで写真等があると思うので、そういった事例を参考にして、必要であれば現地視察等に行くのがよい。

委員:平林寺の他とのバランス、関係もある。他の外周はどういったものなのか。

事務局:ほぼネットフェンスである。黒い鉄格子のフェンスと緑のネットフェンスが使われている。

委員:では、あまり気にする必要はないようだ。今回をチャンスに、より相応しいものがあればよい。現在の計画では、そのあたりはまだ白紙なのか。

事務局:今回の計画として、道路拡幅の話が最初にあり、フェンスをどうするかはこれから所有者と市道路課との交渉の中でどうするかと決めていくはずだ。しかし、市の工事だとすると一番安価なものになっていくと考えられる。

委員:庁内会議等では、文化財観点の意見や考えは伝えていないのか。

事務局:まず最初の段階で、歩道のセットバックについて、天然記念物として許可できるかどうかが問題であった。本委員会にて、現状を考えると歩道は必要だという見解であるため、その方向性が出て、どれくらいセットバックをして、その後、法面をどうするか、という問題となる。

委員:本委員会で承認するとしても、今までに述べた、景観や文化財に相応しいものとしてほしいということは付加意見として付け加えるべきである。

委員長:セットバックは仕方ないにしても、景観は考えてほしいということが本委員会の共通認識である。いずれにしても、天然記念物を削る行為となるわけなので、遊歩道等を考えて、よりよいものにしていき、文化財としての価値を見直してもらうような配慮がほしい。

委員:文化庁に説明する際には、一部削ることに対しての補償的な意味として、きちんといい状態にするというかたちに持っていかないと、なかなか許可されない部分はあると思う。

事務局:ここでの意見を道路課にも伝え、今後設計が進みまた図面ができたらこの会議で審議していただくということでよいか。

委員:削った泥は捨てるのか。それも考えなければならない。平林寺内の低い場所に土を入れるとか、その辺もよく考えるべきである。

委員:計画ができた段階というよりは、まだこちらでも検討可能な段階で一度もってきてもらったほうがよいと思う。固まってしまって動かせないと困る。

委員:できれば次の審議会までにおおざっぱなものでも出してもらえるとよい。

委員長:今のかたちでまとめてほしい。

 

  (2) 平林寺境内林再生事業について

     資料2に基づき、事務局が説明を行った。

委員:最初に編成した保存管理計画は何年度か。

事務局:平成25年度末に完成し、翌26年度から切り始めた。

委員:これは25年度時点で文化庁も承認しているのか。その時に、計画自体は向こう何年間だったのか。

事務局:5年ごと3期に区切り、15年で境内林を一周しようというのが計画であった。

委員:見直しをすることや見直し時期は当初から決まっていたのか。

事務局:見直し時期等は明文化されてはいなかった。

委員:指摘の内容は元より、定期的に当初から予定されていた見直しなのか、それとも、たまたまやったものなのか。手続としては、行政のやることなので、何年度計画の中で何回見直しをするとか、あらかじめ決まっていないと、随時見直しということは、難しい話ではないか。

委員:何年ごとにというよりは、1期が終わって見直すという感じだった。ただ、平林寺は大がかりな伐採というところもあり、随時必要なところがあると思う。また、保存管理計画もあたふたと作ったところがあったので、漏れているところ、問題となるところも出てきたという感じである。定期的にというよりは、野外の生き物に対するものなので、随時必要に応じて計画を改定してくということはしばしばあることである。

委員:教育委員会は当初予算で年度ごとに策定されるわけで、予備費では対応できる案件もあるが、こういうことについては随時対応できる状況にないと思う。3年、5年ごとにこういったことがあるとして、年度ごとにその年度は予算を計上しておくとかといった準備がないと、今回のことが今後も続いていくのか、そのあたりも含めて議論していかないといけない。当然、指摘の内容に関してはそのとおりだと思うが、個人の関係ではなく、教育委員会としても対応は結構難しいと思う。

委員:境内林推進委員会の議論の中で、高木制限帯を設けるという話は保存管理計画で記載されているが、それ以降、危険木や動物の方が意識され始め、そちらの方を至急対応した方がよいという状況になってきたというところもある。

委員:動物調査も委託料などの費用がないとできないと思うが、30年度は当初予算の要求は終わっているだろう。早くて31年度だろう。

委員:これは今までの経緯もあり、動物調査は、野鳥の会による鳥類、昆虫等のデータは長い蓄積があると思うので、まず対象とする範囲は何なのか、それは指定要件としては、武蔵野の雑木林ではどのような動物が挙げられているのか。そういったものを確認して、対象を考える。実際の実施はそれほど慌てなくてもよいと思う。

委員長:計画の見直しなので、来年度全部やる必要があるということではないと思う。元々の保存管理計画に5年で伐採して見直すという文言はあったように記憶しているが、伐採を重ねているうちに危険な倒木の問題が出てきたということで、それに対応した見直しをして、原則としては平林寺の雑木林を再生する、そのために伐採、萌芽更新を繰り返して元のかたちにするというその大綱に附属するようなかたちでこういったものを位置づけていけば、基本的に大きく変わるというわけではないと思う。

委員:変わるというよりは付け加えるというかたちである。危険木に対する対応をどうするか、また外周の問題を付け加えるという対応で問題はないと思う。

委員長:現在の認識と現状に併せながら変えていくということで、それほど大きく変えるということの必要性はないという印象である。

事務局:文化庁へヒアリングにいった際には、伐採を続けることによって、動物が失われることへの危惧がされていた。ただ、動物が変わったかどうかを把握するにも現在データがないので、まずは1回動物のデータが欲しい、その後は経過観察をし、伐採したことによって動物に影響はなかったと言えるようなデータが欲しいのではないかという印象を受けた。

委員:伐採前のデータはあるのか。

事務局:鳥類と蝶類はある。

委員:それが基本的な指定要件ではないかと思う。要は、雑木林という人工林の中の生物が指定要件になっていると思うので、対象はどういった生物なのかを明確にしたほうがいい。

委員:やるうえは先ほど言ったように年度ごとに工程表、計画表づくりの方が大事だと思う。この先また更に見直し時期が出る場合は、それまでにやらなければならない。体制と予算とタイムスケジュールがないと、やることはもちろんやった方がいいに決まっているが、どうやるかが問題である。

事務局:まず問題として、第1期の部分は5年では切り終わらないところがあり、残る部分がある。当初、第1期を延長するという話もでていたが、それよりも外周を切りたいという話も出てきたり、動物の話も出てきたので、そこも含めて考え直さなきゃいけない。また、第1期、第2期という言葉は、時間軸のことであって、現在までは第1期は5年間となっていたが、例えば第1期範囲が5年以上かかり、その後第2期を切るとなると言葉が崩れていくため、例えばA地区、B地区だとか、時間軸の言葉ではなく場所を特定する言葉を使うべきだと考えている。このままこの言葉を使い続けると時間と空間が混乱してしまうので、改めるべきである。
動物調査の必要性は、文化庁のヒアリングの際に特に動物部門の方から指摘があった。

委員:文化庁はそうおっしゃるが、こちらはスケジュールを意識し、受け止めなければならないので、来年度やるのか、先でよいのか、年度ごとの計画を早急に作っていかないとである。

委員長:平林寺境内林保存管理委員会は、平林寺の御老師が委員長になって作っている。平林寺境内林保存管理委員会には本間先生と私は出ている。それを文化財保護審議委員会にて承認を受けているというかたちである。

委員:優先順位やいつまで実施であるとか何も分からない状況である。指摘を受け止めてやるとすると、少なくとも何年以内にやらなければならないのか等を検討する必要がある。

委員長:予算は文化庁と新座市から出ているのか。

事務局:伐採については、国1月2日、県1月4日、市1月8日、所有者1月8日というかたちである。動物調査を平林寺住職に話したところ、いくらかであれば寺の単独事業で出すことができるとおっしゃっていた。しかし、予算に限りはあるので、補助も併せて実施するのがよいと思う。

委員:平林寺境内林保存管理計画には、大門通りの桜伐採、野火止用水沿いは含まれているのか。

事務局:明記されていない。高木制限帯を設けた方がよいというくらいである。

委員:示されている図(再生事業)の中には、大門通り沿いのエリアはいっているのか。

委員長:第3期に入っている。先行したというかたちである。危険木が近々の案件として上がってきて、それを実施したということである。

委員:どちらかというと外周の木々については、詳しく見てみたら、非常に危険性が高かったということが、実際の伐採を開始した段階あたりで気がつき始めたというところである。計画を立てるときにそこまで1本1本細かくは見ていなかった。

委員:予算の出所は同じところから出ているのか。

事務局:大門通りの桜の伐採に関しては、平林寺の単独費用でやっている。補助金ではない。

委員:この管理計画には、本委員会はどのような関わり方か。

事務局:現状変更等許可への関わり方である。計画については、保存管理委員会にて審議する内容である。

委員:計画については文化財保護審議委員会で決めるものではないということでよいのか。しかも桜の伐採については平林寺の予算でやったとなると、この計画に入らないということなのか。

事務局:文化庁調査官の説明によると、計画については、補助金をもらうための計画というわけではなく、文化財をどうやって守っていくかという意味での計画である。計画があれば補助金はつきやすいが、絶対もらえるわけではない。文化財を管理する上で、順番に切っていくということがあるが、それ以外の伐採についても、管理上で必要であれば、計画の中に入れておいて欲しいという、そうすれば現状変更等の許可も出しやすいということである。

委員:見直しの話は計画には出てなさそうだ。

委員:見直しのことに関しては、計画には現時点で書いていないと思う。

委員長:見直しが必要であるという保存管理推進委員会での共通認識や議論はあったとは思う。

委員:同意。

事務局:なかなかこういったタイプの文化財の計画はあまりはないということもある。建物などの有形であればこの方法でと決めれば続いていくが、切りながらまた考えようというのはあまり事例がない。

委員長:相手が生き物なので、難しい。

委員:相手が生き物ということもあるが、一方で、市教育委員会では予算的な対応は急にはできない。やはり3年先、5年先に見直しがあるというのが分かっていれば、それに向けて策定できたが、今後のまとめ調査はどうやってやっていくかという話になる。こういったことは本委員会の議論ではないかもしれないが。

委員長:来年度に着手するのは現実的には難しいのではないか。

委員:記録が取りまとめられているが、いつどのようにやられたのかをまとめて、対象範囲はそれでよいのか、広げた方がよいのか。切った部分について、それと同じようなことをどうやっていくのかを1~2年のうちに考えて、3年後に実施するというスケールでいいのではないか。今伐採しているところで動物調査をやってもあまり意味はないので、伐採して1年後、数年後にどうなっているのかを確認した方が、伐採と一緒に調査をしても意味が分かりにくくなる。

委員:危険木については整理した方がいい。実際に切る必要があるのか、それをやるとなるとどれくらい期間がかかるのか、どこからどういう風に手をつけるかの整理は保存管理推進委員会で議論すべきであると思う。議論してもらって、それを追加的な報告・部分で取りまとめるかたちになるのではないか。調査については現状とその後の対象範囲を検討して次にできるようなかたちにすべきであると思う。

委員:文化財保護審議委員会のスタンスとしては、文化庁の指摘は理解できる。動物まで含めて境内林の文化性であるというスタンスは非常に理解でき、その視野は大事だと思う。しかし、その計画を具体的にどうするかという点はここでは決められず、性格も異なると思う。その意向を受けて具体的にどうするかという感覚に思う。我々としては大事な指摘だと受け止めなければならないとは思うが。

委員長:もう一度保存管理推進委員会で計画が出たところで、正式に文財審で審議するということで、それでよいのか、もっとこうした方がよいのかということをしないと、県・文化庁に上げられないわけであるので、まずそこで審議するということを確認し、ここでは現在そういった指摘を受けているといったことと、それに対する意見を述べたということでいうことでよろしいか。

委員一同:了承。

委員:要望としては、文化庁と調整するときに、常に実施年度を意識して調整してほしい。文化庁としては早ければ早いほどよいということであるかもしれないが、しかし市でも様々な優先順位があるので、具体的な年度がイメージできないかたちでこういう資料が出てきても、困るところはある。補助金も前年度に申請すれば必ず翌年度もらえることはないだろう。

事務局:多少減ることもある。

委員:市の方の計画にも位置付けられるようなかたちで、実施年度を意識して文化庁と調整してほしい。

委員:平林寺も様々な行事があるだろう。具体的な実施年度をイメージできれば話が早いと思うのでお願いをする。

委員長:そういった意見交換と要望でよろしいか。

委員一同:了承。 

(3) 睡足軒の屋根葺き替えについて 

   資料3に基づき、事務局が説明を行った。

(4) 睡足軒の森公共下水道切り替え工事について

   資料4に基づき、事務局が説明を行った。
   (3)、(4)については、続けて審議を行った。

委員:議題4について、国にあげる必要がないということだが、市の権限委譲の範囲ということか。

事務局:そのとおりである。

委員:市の内部で決裁を受けるというかたちであれば、申請書を出すということには変わりないということか。

事務局:そのとおりである。

委員:(3)については、天然記念物の指定地内での作業も入り、何らかの許可申請案件が出てくると思う。おそらく権限委譲の軽微なもので済むとは思うが、指定地内での作業になると思うので、確認していただいたほうがよいと思う。

委員長:手続は重要なので、是非お願いしたい。

事務局:了承。

委員長:杉皮葺きが出てきた場合は、専門家(登録有形所見作成者)が見るのか、施工業者が見るのか。

事務局:青梅市の現地視察の時に杉皮葺きの建物があったと思うが、それは本件予定施工業者が実施している。そのため、認識は十分可能である。

委員長:文化財に十分携わっている方であるということか。

事務局:むしろ文化財を多く手がけている方である。

委員:葺き替え材は茅か、葦か。

事務局:呼び方の問題で、屋根材になると茅と呼ばれるが、材料としては芦、葦である。

委員:利根川のほうから持ってくる業者も多いと聞く。

委員:北上から持ってくるのだろうか。

委員長:会津のほうにもあると聞いた。

委員:檜皮は挟むのか。

事務局:現状で檜皮が確認されれば話は別だが、現時点では予定はない。

委員:裏側は日が当たらず腐りが早いので、檜皮を挟んだりする。雪や雨が下に浸透しないようなやり方で私のところはやったことがある。

委員:解体修理は報告書を作るだろうが、屋根の葺き替え程度であれば、報告書はいらないのか。

事務局:手続的にはそこまで求められないと思う。

委員長:簡単な報告や記録は必要であるだろう。

委員:昭和13年の移築ということは、そこまで古い棟札が出てくる可能性はないだろうが、もしかしたら古い棟札と一緒に昭和13年のものも出てくるかも知れない。

委員長:大黒柱にあるかもしれない。

委員:業者は馴れていると思うのでそれを損傷することはなく、出てきたことを教えてくれると思うが、単なる葺き替えではなく、昭和13年ともしかするとその前のものが出る可能性はある。

事務局:睡足軒は、江戸の後期の建築と推定され、また中期に遡るのではないかとの専門的な意見がある。当所材が残っており、そこに年号でも出てくれば遡れる可能性はある。今後業者と調整の中で、トタンを外した際や葺き替え途中に、皆様に御覧いただく機会や、また作業としてはなかなか珍しい作業なので、市民向けの見学会もできればと思う。

委員:ビデオ記録もするのか。

事務局:実施する。

委員:睡足軒は当初は飛騨の建物だと思うが、屋根の葺き替え手法はどの地方も同じなのか。業者にお願いしているのは、関東向けでやってもらうのか。

事務局:睡足軒に関しては保存管理計画のようなものがあるわけではないので、所有者と管理者(市)の考えでは、松永耳庵が移築した時点の姿が一番価値があるのではないかということを前提に考えている。昔の民家に戻したいというわけではなく、松永耳庵が遊び心を持って移築したところに価値がある。移築時は関東風、青梅風の茅葺きにしたということが文献に書かれているので、それが確認できれば関東風でよいと考えている。

委員長:議題(3)と(4)については承認ということでよいか。 

(2) その他

  (1) 文化財保護審議委員会日程について…資料5

     資料5に基づき、事務局が説明を行った。

委員長:急な案件がない限り、平成30年度の開催とする。

委員一同:了承。

   (2) 大和田二・三丁目地内土地区画整理事業に伴う埋蔵文化財発掘調査について

事務局:現在も随時調査は進んでいる。現在、現場での記録が終わった状況で、具体的な整理作業はこれからのため報告書はまだ出ていないが、進捗状況を市ホームページに掲載しているので、よろしければ御覧いただきたい。  

委員:三昧場を残すかどうかの扱いについて、管理者の普光明寺と市の考えはどうか。

事務局:三昧場は現状のまま残る予定である。土地範囲の外側から人骨が出てきたという話があったが、それについては合葬しお墓におさめるというかたちで普光明寺にお願いしている。高地蔵は歩道拡幅に架かってしまったため、お墓の近くに移転している。 

  (3) にいざ歴民だよりについて  

     資料の配布を行った。

委員:歴史民俗資料館は、現状老朽化し、常設、企画、講座スペースもない状況である。平成28年度の教育委員会の点検評価にて、有識者、教育委員会でも一歩踏み込むということで検討している。新庁舎のスペースは立消えになったし、改めて用地の確保はあるが、便がよくない等の問題がある。何もしないことはよくないということで、平成30年度に歴史民俗資料館の将来像について検討を開始するということを加えたので、平成30年度にの何かしらの着手があると思う。
また、教育長は新座市史の編さんも積極的である。他市等を見ると、古い自治体市は2回目の編纂に入っている(さいたま市、熊谷市)ので、新座も必要であるという認識でいる。

委員長:新庁舎に移った時に膨大な書類が捨てられたのではないか。新座市史を考えるときに、そういったものが必要となってくる。市の歴史を考えるとき、私自身数年間県職員であったが、その際、保存するのはほんの僅かなもので、実は個々の職員がどう働いたかというもののなかに一番重要な資料があったりすると思っている。それも市で考えていかないとよい新座市史ができないのではないかということがある。様々な資料を保存し、いずれは文化財にするということで、以前、県の行政文書を県の指定にすることに関わったが、そんな新しい資料を文化財にしてよいのかという意見もある中で強引に推し進めた一人ではあるが、その後2~3年で国の重要文化財になったということもあるので、庁舎全体で是非考えていって欲しい。

委員:片山村と大和田町が合併したときに、片山の文書はほとんどなく廃棄してしまった。そういった過去の歴史があるので、注意してやらないといけない。

委員長:新座市史編さんの際も、江戸時代の大和田の記録はあるが、片山がなかなかないということがあって、片山は旗本領で細かいという性格もあるが、片山については書き切れないということが確かにあった。
これから新しい新座市史に何が必要かというと、近現代史であると思う。今までの市町村史は行政制度の変遷や世の中の状況を書いていれば近現代史ができてしまったというところがあったが、今はもっと、様々な形で生活に密着したり、女性のこと、あるいは戦争のことを取り上げ、その意味で行政文書は大変必要になってくる。

委員:現代史になるにつれて、聞き取り、いわゆるオーラルが大事であると思う。資料がないところを埋めるうえではオーラルが重要である。先ほど言った歴史民俗資料館の活動などにも通じていて、誰かが講演等をするのではなく、市民に新座市になったときのことを語ってもらうなど、オーラルの面での資料確保が大事である。今はオーラルもものすごく進んだ議論、例などもあるわけだが、そういったものが必要であると思う。生き字引が少なくなる中では、余計と必要になってくる。

委員長:テープでもいいので、録音だけでもしておくと後々使えるのではないかと思う。

事務局:古い写真等もお持ちになっている方もいるので、そういったものを見せていただくなども必要であると思う。

委員:市民が作る新座市史という発想の方が、学者が作るよりも、みんなが関心を持てる、自分のものとして見ることができると思う。

委員:受け皿があれば広報などで古い写真等を募集できると思う。今世間は断捨離とか物を持たないことが流行っているので、アルバム等を燃やしている話をよく聞く。

委員:前市長の時には歴史民俗資料館や公民館、保険センターなど複合館にしたいという話だった。
また、新井水車が遂に壊され、跡形もなく整地されてしまったそうだ。そういったことが起こるので、早く対応しないといけない。
今後、文化財保護法を改正する関係で、文化財活用で観光に結びつけるような方向で改正することが新聞などに載っていた。

4 閉会

午後5時20分閉会


新座市文化財保護審議委員会