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にいざ見聞録(第10回 江戸時代の庶民の旅)

ページID:0000423 更新日:2012年11月1日更新 印刷ページ表示

 道中日記帳の写真
 江戸時代の代表的な庶民の旅は、伊勢参りや善光寺参りなどの参詣(さんけい)の旅です。寺社参詣の名目で全国各地の名所・旧跡を巡る遊興的な旅や、湯治の旅などが盛んになりました。このことは市内に残る道中日記(写真)からも当時の旅をうかがうことができます。
 栗原村の高橋長吉は、嘉永3年正月9日に伊勢神宮参詣の旅にでています。東海道から伊勢路に入り、25日に神宮参詣し、山越えに奈良を一巡、2月4日に高野山に行き大阪、明石を経て四国丸亀へ、11日に金毘羅宮(こんぴらぐう)を参詣しています。その後、舟で室津(むろつ)へ、姫路を経て15日夜、大阪から舟にて京都に入り3日間滞在し、一路中山道を下って、24日には妻籠(つまご)に泊まり木曽の山路を越えます。1日に平均十里歩いています。28日には善光寺参詣、3月3日に榛名山(はるなさん)など、3月8目に帰ってくるまでの旅路を59日間で歩いています。この間使用した草鞋(わらじ)は27足、足袋も4足にのぼります。1日に約40キロメートル歩く昔の人の足は達者でした。
 江戸時代の庶民の旅は許可が必要で、しかも歩くことが多い旅でしたが、庶民にとっては見聞を広めるよい機会でもあったようです。