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埼玉県農林振興センターから、以下のとおり台風に対する農作物等技術対策が提供されましたので、参考にしてください。
最新の気象情報に留意し、以下を参考に技術対策を実施してください。
また、台風通過前後のほ場巡回や作業は事故につながりやすいため、事前の準備を十分に行い、風雨が激しいときや水路・河川増水時の外出は極力避けてください。
1 台風に備え、排水路や明渠の点検・整備を行い、ほ場の停滞水が生じないように備える。
2 作物により防風網を設置するなど、強風に備える。
1 園芸用ハウスでは、フィルムの破れ、支柱、支線、ターンバックルなどを点検・補修し、必要に応じて筋交いを入れたり、防風ネットで覆うなどして補強する。
2 特に、積雪で被害を受けたハウスやイチゴ等で天井部のみ被覆しているハウスは入念に点検し、対策を講ずる。
3 台風襲来直前対策
・出入口、天窓、サイドをしっかり固定し、隙間からの風の吹き込みを防ぐ。
・停電、浸水による漏電等が想定されるので、不必要な電源は遮断しておく。
・換気扇をまわしてハウス内部を負圧にし、被覆材のバタつきを防ぐ。
・大雨による施設内の浸水が心配される場合には、出入口に土のうを設置する。
◎露地なす
1 強風に備えて、支柱や枝の誘引などについて点検・補強する。
◎いちご
1 育苗ハウスの点検・補強をする。強風による倒壊を防ぐために雨よけハウスでは、ビニールを縛り上げる等の対策を講じる。
◎ねぎ
1 強風による倒伏防止に備え、土寄せのできるものは、早めに実施する。
◎ブロッコリー、キャベツ
1 育苗中のものは、強風にあおられないようハウス・トンネルを点検・補強する。
1 収穫できる果実は事前に収穫する。
2 棚や支柱、網などを補強し、樹体の揺れを少なくする。
1 排水対策を行うとともに、フラワーネット等の点検・補強を行う。
1 台風通過後は、病害虫の発生を防ぐため、薬剤防除を行う。
2 増水により畦畔や土手、農道が崩れた場合は、現場に近づかない。
1 台風通過後の急激な湿度低下による葉焼けを防止するため、施設の換気は徐々に行う。
2 本ぽに浸水した場合は、排水ポンプ等により強制的にほ場外に排水する。
◎露地なす
1 停滞水による湿害や病害(青枯病、半身萎凋病、褐色腐敗病等)の発生を防ぐため、速やかな排水に努めるとともに薬剤防除を行う。
2 風雨により被害を受けた果実は早く摘果し、草勢の回復を図る。
◎施設きゅうり
1 施設の密閉や多湿によりべと病、褐斑病の発生が懸念されるので速やかに薬剤防除を行う。
◎いちご
1 降雨により炭そ病の発生が懸念されるので、速やかに薬剤防除を行う。
2 本ぽに浸水した場合は、排水ポンプ等により強制的にほ場外に排水し、適期に定植できるよう準備を進める。
◎ねぎ
1 ほ場作業が可能になり次第、軟腐病・白絹病・小菌核腐敗病等を対象に薬剤防除を行う。
2 収穫期に達しているほ場では、高温多湿による軟腐病の被害拡大が懸念されるので、ほ場作業が可能になり次第、速やかに収穫・出荷を行う。
◎やまといも
1 葉渋病や炭疽病の発生を防ぐために、速やかに薬剤防除を行う。
◎えだまめ
1 白絹病の発生が予想される場合は、薬剤防除を行う。
◎ブロッコリー、キャベツ
1 風雨により軟腐病、べと病、黒腐病の発生が懸念されるので薬剤防除を行う。
2 天候が回復次第、早めに中耕を行い、土壌の通気性を確保する。
3 土壌が流亡した場合は、株を直し、株元に軽く土寄せを行って倒伏やねじれを防ぐ。
◎にんじん
1 葉の損傷等が見られた場合には、速やかに薬剤防除を行う。
◎こまつな等葉菜類
1 葉の損傷等が見られた場合には、速やかに薬剤防除を行う。
1 落下した果実は速やかにほ場外へ搬出する。クリの未熟果は、出荷しない。
2 葉・枝・果実の損傷が発生した場合は、なしでは輪紋病、ぶどうではべと病や晩腐病、いちじくでは疫病、りんごでは腐らん病、キウイフルーツでは果実軟腐病の発生が懸念されるので、薬剤防除を行う。
1 倒伏した株は引き起こして株元を軽く押さえ、噴霧器等で付着した土を洗い流すよう薬剤防除を行い、病害の発生を予防する。
2 破損した茎葉は病害の発生源となることから速やかにほ場外へ搬出する。
3 浸冠水した施設、資材等は必要に応じ消毒を行う。
4 キク・宿根アスター等の栽培に係る電照・補光関連施設(電球、タイマー等)については、速やかに作動状況の点検を行う。
◎農薬は最終有効年月までに、ラベルに記載されている適用作物、使用回数、希釈倍数・使用量、使用時期等を十分確認の上、使用してください。農薬の最新情報については、農産物安全課のホームページでご確認ください。
http://www.pref.saitama.lg.jp/a0907/nb/arfdnouyakutourokuhenkou.html