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第81回教育懇談会の概要

ページID:0135097 更新日:2023年12月20日更新 印刷ページ表示

日時

令和5年10月25日(水)午前10時30分から正午まで

会場

中央公民館 講義室

参加者

17名

懇談会座長

金子教育長

出席委員

金子教育長、鈴木教育長職務代理者、小泉委員、脇田委員、宮瀧委員

司会進行

野口教育総務課主事

担当部課長

齋藤教育総務部長、金子教育総務部副部長兼生涯学習スポーツ課長、森山教育総務課長、生田目中央公民館長、山崎中央図書館長、川端歴史民俗資料館長

杉原学校教育部長、河村学校教育部副部長兼学務課長、山崎教育支援課長、小俣教育相談センター室長

事務局

戸川教育総務課副課長兼総務係長

1 教育委員会教育長あいさつ

 本日は御多忙の中、御参会いただき感謝申し上げる。今回の教育懇談会は、4年ぶりの開催である。本日は第五中学校区及び第六中学校区を中心に開催する。皆様の教育に関する御意見を伺い、学校教育や社会教育に反映していきたい。教育関係に関して忌憚のない意見、要望、提言を出していただきたい。

2 新座市の教育についての説明(教育長)

 昨日、全国のいくつかの市町村で財政が立ち行かなくなっているという事例が報道された。その中で財政非常事態宣言から立ち直った市ということで、新座市が詳しく紹介された。新座市では、災害など非常時に使う財政調整基金が底をつき、コロナも襲ってきたことから非常に苦しい状態であったが、教育分野に関しては比較的財政的な影響は少なく進められた。

 文部科学省が令和元年12月にGIGAスクール構想という、児童生徒1人1台のコンピュータ端末を配備するとの発表をした。新座市では全国に先駆けて急速に教育のICT化を進めることとなった。2021年には全国の公立小中学校の情報化ランキングが発表されて、全国一位の整備状況であった。授業風景が大きく変わり、これまでは先生と積極的な一部の生徒が授業を構成させていたが、現在は全生徒が電子黒板に書き込むことができるため、全員参加型の授業に変わりつつある。

 教育委員会は教育総務部と学校教育部の二つの部に分かれており、教育総務部では、学校の施設設備、社会教育、公民館や図書館などの社会教育施設の運営や学校の校舎の改修などを担当している。一方で学校教育部は、授業のあり方や教員の人事など学校の運営について担当している。

 教育総務部については学校施設の工事が予算の大半を占めており、現在は第二中学校の長寿命化工事を行っている。今までの大規模改修とは違い、長期間施設を使えるように配管から新しくしていくという工事である。また、給食にも力を入れており、安心安全かつ美味しい給食を提供するために様々な設備を入れている。例えばスチームコンベクションという焼き物ができる設備を導入し、焼き魚などの提供が可能になった。現在は、野寺小学校では給食室の増築工事を行っている。さらに、中学校体育館へのエアコンの整備も行っている。今後、順次体育館と小学校にも導入していく。

 総合運動公園の陸上競技場は、再度陸上競技協会の認定を受けるために、様々な改修の必要があったが、財政状況を検討し、実施を見送ってきた。しかし、スポーツアスリートの方々や子どもたちに認定を受けた競技場が必要ということで来年の1月から工事に入ることが決まった。1年間御不便をかけるが、御理解いただくようお願いする。他にも、子どもたちのためにぱわーあっぷくらぶや子どもの居場所づくり事業を進めており、社会教育としてにいざプラスカレッジという市民大学を市内3大学と連携して運営している。さらには、今年4月に歴史民俗資料館がオープンした。保健センターとの複合施設で、新座の歴史を知るのに有効である。公民館・コミュニティセンターについては、市民の皆様の学びのニーズに応えるため、様々な分野にわたって講座を開催している。

 学校教育に関しては、全国的にコロナの時期から不登校の子どもたちが急速に増えている。本市では、市役所の近くにふれあいルーム(適応指導教室)を開設しており、30人から40人くらいの子どもたちが毎日勉強や活動をしている。また、本年9月から十文字学園女子大学に不登校の子どもたちが通える施設を開設した。

 以上、簡単ではあるが、本市の教育についてお話させていただいた。今後ともこれらの取組を推進していくため、皆様の御理解と御協力をお願いしたい。

3 懇談会の概要

市民

 野寺小学校に放課後児童保育室が建設されるが、今後、学校教育において農業がますます重要になってくるため、学校教育農園を継続していけるよう敷地の確保について調整してほしい。

教育長

 放課後児童保育室については、教育委員会ではなく、保育課の管轄になる。現時点ではどこまで学校教育農園が縮小されるか明確になっていないが、今後も学習の一つとして継続して取り組んでいく予定である。

 

市民

 石神地区では、地域全体として挨拶の励行に取り組んでいるが、安全面で心配がある。他市で不審者によって教員が刺されるという事件があったが、正門や裏門の戸締りや防犯カメラの設置はどのようになっているか。警備員の配置や正門へのオートロックの設置を要望する。

教育支援課長

 学校の安全対策については重大な案件の一つと考えている。現在、各学校で防犯マニュアルや緊急時の対策マニュアルの見直しを進めている。正門の施錠や正門から校舎入口までの人の流れを改めて見直してマニュアルを改善するものである。また、交通指導員を市内58か所に配備しており、より安全に必要な場所に配備できるように学校と連携して進めている。今後、交通指導員の配置されていない時間帯についても安全が守れるように各校に設置しているスクールガードリーダーや学校応援団の協力を呼び掛けていきたいと考えている。

教育長

 防犯カメラについては全校に設置しているが、モニターが隅に置かれている場合は、見やすい位置に設置するように指導している。また、学校の敷地内に不審者が入った際にランプが点灯する装置等の導入も検討している。

 

市民

 野寺小学校の給食室工事の影響で、運動会の際に直線距離80メートルを確保することができない。以前来賓用の駐車スペースとして使われていた場所に給食室が広がる場合、他の場所に駐車スペースを用意する必要があるため、校庭が更に狭くなってしまう。

 また、校長の任期が、3年から4年と短いため、交代頻度が高く、新座市以外から転任した校長がふれあい地域連絡協議会などの意味を理解されていない場合がある。校長の異動に関してもう少し考えていただきたい。

教育長

 校長の人事の最終的な決定は県が行うが、内容については新座市教育委員会が県に案を提出する。昨年度のように校長が同時に多数退職すると任期が短くなってしまう可能性が出てくるが、方針としてはできる限り長く配置していきたいと考えている。ふれあい地域連絡協議会については新座市の持っている財産だと考えている。現在国で進めているコミュニティスクールについても埼玉県で一番早く着手して整備した。今後、学校単位のコミュニティスクールと中学校区単位のふれあい地域連絡協議会を併合していきたいと考えている。

 

市民

 働き方改革によって運動会などの大事な行事が縮小していっている。地域やPTAとしてバックアップする体制が整っていても、学校に意見を出したときに働き方改革を理由に削減や縮小方向に動かれてしまうとどこまで提案してよいのかが分からない。

 保護者へのお知らせが紙媒体から電子媒体になり、子ども宛の連絡と保護者宛の連絡が混ざっていて判断しにくく、行動を伴う重要な連絡に関してもアプリに送られてくるだけで確認が困難になった。学年便りや学級便りの配布頻度が学校内で統一されておらず、月一回の学校便りだけでの行事の把握は難しい。宿題もタブレットで行うようになり、丸付けなどの親の労力が減少した反面、教員と子どもだけで完結してしまうため、子どもの学習状況の把握が困難になったと感じる。

教育総務課長

 2学期の初めから新しいシステムの運用を開始しているため、定期的に意見を聴取して、システムに反映させていく運びである。今後、改善を図っていきたいと考えているため、今しばらくお時間を頂きたい。

教育長

 5年間で約18憶円という費用をかけて、非常に先進的なシステムに入替えを行った。今まで保護者は紙でお知らせを確認することが一般的であったため、急にデジタル化しても対応することが難しいと考えられる。ある程度の期間は激変緩和策ということで紙とアプリを併用するなど少しずつ新しいシステムに移行できるよう校長会でも話をしたいと思う。

 

市民

 昨年の運動会は、働き方改革とコロナ禍による影響で全国的に縮小していた。その中で、子どもたちからプログラムを増やしてほしいと校長に申し入れを行ったが、回答できない旨を伝えられた。その後、1年経過し、今年の運動会のプログラムも昨年度と同様であることに対し、6年生の保護者から不満が募り、校長に申し入れを行いプログラムの変更に至った。子どもたちの意見がしっかり反映されていないことに疑問を感じている。

 また、運動会のプログラムに関して半日開催と一日開催、団体競技の有無が学校ごとに違っており、中学校ではコロナが収まってきたことを機に盛大に体育祭を行っていることに対して小学校は縮小されたままであり、統一感がない。

教育長

 例年は9月末に運動会を開催していたが、熱中症の危険性が高いということで今年は10月末にずらして開催している。また、今年の運動会は半日での開催が多く、気候変動によって行事の形を変えざるを得ない部分が出てきている。

学校教育部長

 働き方改革等によって運動会が全国的に縮小の傾向があったが、地域や保護者の意見を頂きながら考えていく。

 今年度、こども基本法が施行されたこともあり、子どもの意見を取り入れていくことは当然であると考えている。第二中学校では、制服の代わりにポロシャツの導入がされ、子どもの意見を取り入れた教育活動が進んできている。再度、子どもや保護者の意見をしっかり把握して学校運営を進めるように指示していく。

教育長

 地域の方々の意見や保護者の意見を学校運営に反映させるという観点でコミュニティスクールが推進されている。校長や先生方だけで決めるわけではなく、子どもや地域、保護者の意見を広範に集約して学校経営をしていきたいと思う。

 

市民

 部活動の地域移行について、競技団体としてサポートしたいと考えている。実現のためには、教育委員会が柔軟な対応をしていくことが大切で、市内のスポーツ団体や中学校体育連盟、保護者との協議会を設けて早急に推進計画や手引書の作成が必要だと思っている。また、中学校6校で事情が異なってくるため、各学校を対象にアンケートを取ってほしい。文部科学省は将来的には休日だけでなく、平日も部活動を移行する予定であるため、抜本的に部活動を見直さないと子どもたちがおいてかれてしまうと思う。子どもあっての部活動であるため、教育委員会の考え方を聞きたい。

教育総務副部長

 部活動の地域移行について、教育委員会の担当部署、学校側、受け入れ側、校長との協議会を作っており、まずは現状を把握することを行っている。チームスポーツについては、少子化や民間のスポーツクラブに加入する子どもの増加の影響で、試合を行う人数に満たないという現状があるが、指導者の選出や指導方法、活動を行う場所など移行するための多くの課題が出ている状況である。そのため、現場や実情を把握している方と協力していくことが必要と考えており、民間事業者、NPO法人、新座市スポーツ協会から協力したいというお話もいただいているが、実際にどのようにやっていくかというところまでは達していないというのが現状である。国の方針をみて、状況を把握するという段階であるため、現在は詳細については申し上げられないが、課題を整理することを進めていかなければならないと考えている。

教育長

 外部の競技団体との協議の方法や平日の地域移行について、意見を取りいれながら考えていきたいと思っている。

 

市民

 野寺小学校の体育館の冷房はいつ完成するのか。

教育総務課長

 来年度設計に入り、再来年度設置という計画になっている。

 

市民

 不登校の増加に対して十文字学園女子大学で適応指導教室ができたが、新堀地区は新座市の端にあるためアクセスが困難である。西堀・新堀コミュニティセンターも是非活用してほしい。

教育相談センター室長

 不登校の増加については市としても大変重く受け止めている。様々なケースの子どもがいるため、状況にあった選択肢や居場所を用意していくことが重要と考えている。今年は十文字学園女子大学に「とことこぷらすのへや」を増設したが、遠い地域の子どもについては何か別の支援が必要と考えている。小学校では子どもと親の相談員が活動を週2日行っているが、回数を増やすことや家庭に介入して相談に乗るスクールソーシャルワーカーの派遣についても増員の方向で考えている。ピアサポーターという大学生を派遣する制度もあるため、できるだけ活用して対応していきたいと思う。大学や地域との連携を深めて、今後不登校の対策を考えていきたいと考えている。

 

市民

 避難所として学校を利用する際に、様々な事情で個別に対応する必要のある方が出てきた場合、教室利用をしてもよいのか。実際に災害があった際に困らないように取り決めをしていただきたい。

 また、放課後児童保育室とココフレンドは運営時間が近いにも関わらず、有料と無料で違いがある。この二つを統合する予定はあるのか。

教育長

 避難時の教室の利用については災害の規模による。大規模災害が起きた際には学校の開放を行うため、対応する体制は取れている。普段は、子どもたちの私物があるため、避難訓練の際に開けることはできない。 

市民

 訓練時ではなく実際に起こった時を想定している。事前に決めていただければ素早い対応ができる。市役所と学校の話し合いをして決めていただきたい。

教育長

 災害の規模によるが、大規模災害が起こった際には当然教室を開放することになる。

生涯学習スポーツ課長

 放課後児童保育室は厚生労働省、ココフレンドは文部科学省の管轄であり、それぞれ別の補助金が出ているため、完全に一体化ということは難しい。放課後児童保育室とココフレンドは近い内容であるため、できる限り効率化していきたいと考えている。現在、放課後児童保育室は社会福祉協議会に半分、民間会社に半分運営をお願いしており、ココフレンドもそれに合わせている。最終的にはすべて民間委託にしていく方向である。

 

4 教育委員の感想

教育委員

 他の地域に比べて保護者の方よりも地域の方の参加がとても多く、改めて地域の方に支えられている地域だと感じた。自然の体験というのは少なくなってきていると感じているため、市の特色である学校農園をしっかり守っていきたい。

教育委員

 9月に第三中学校の体育祭に参加し、今までの体育祭と大きく違うと感じた。従来は先生方の発案や指導によって体育祭が運営されていたが、第三中学校では生徒が中心となって運営されていた。競技の間に先生方がパフォーマンスして、先生方が生徒に寄り添っており、働き方改革によって、縮小化している中でも先生方が努力していることが感じられた。先生の働きには保護者や地域の方々の協力が必要と考えているが、この地域であれば心配する必要がないと思う。

教育委員

 ICT教育については、どのように機器を活用するかが非常に重要である。全員が授業に参加できるという点については非常に有効だが、本日のように問題も複数みられる。先生方と保護者の方々が協議して、しっかりと活用していきたい。

 

5 あいさつ

 本日は大変お忙しい中御参加いただき、感謝申し上げる。新座市には学校を支援してくれる方々が大変多い中で、学校と保護者、地域との連携が難しくなったという指摘に大変驚きを覚えた。大人が連携を実践している姿を見て、子どもたちも共に生きる力を身につけていくと思うので、今後改善していきたい。また、働き方改革と行事については教員の増加でしか解決できないと思っている。本日は限られた時間であるため、十分に話せないところもあったかと思うが、頂いた御意見は今後の教育行政に活かしていきたい。


教育懇談会