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平成21年度 第2回 新座市次世代育成支援対策地域協議会
平成21年6月24日(水曜日)
午後 6時30分から
午後 8時25分まで
新座市役所 第二庁舎 5階 会議室5
坂本純子会長、禿あや美副会長、竹下由美子委員、小林映子委員、本田千寿香委員、小長井賀與委員、市来陽子委員、吉田純子委員、大道順子委員、前里ひで委員、福田敏夫委員、上田はる美委員、井口たけ子委員、西村美紀委員、甲田由夏委員、鳥井本友子委員、土屋賢治委員、澤村京子委員、大島武委員
計19人
子ども家庭応援室:井上裕室長、上原隆副室長兼子育て支援係長、黛幸恵主任、千葉恵美子主事
指 導 課:川野春彦課長
計5人
公開
(傍聴者1人)
協議会の出席のため、家庭での保育が困難となった委員の子どもの保育を行った。
子ども:2人
保育者:新座市ファミリー・サポート・センター協力会員1人
会長のあいさつ後、委員の交代があった団体について事務局から紹介を行った。
議題に入る前に、前回の協議会で課題となっていた点について事務局から資料1から3に基づいて報告を行った。
委員:
2番の内容だが、「労働者」というとイメージが違うのではないか。一般的には、自治体、関係機関、市民という切り口になるので、「労働者」となると切り口が違うものが混じってしまう。労働者も市民であるから、あえて分けなくても良い。
事務局:
企業に対してという対比の部分での「労働者」という言葉である。前期計画では、企業への働きかけということで、商工会等を通じてパンフレットやチラシの配布等を行っている。確かに、「労働者イコール市民」という部分ではあるが、企業に対する働きかけの仕方をもう少し明確にしたいということで、表記のとおりとしている。
委員:
他の委員がしっくりいっていれば問題ないと思うが、労働者と雇用者という切り方は、違う座標軸であり全くイメージが違う。
一般的には、国・自治体が第一セクター、第二セクターが企業、第三セクターが市民であるから、「労働者」という表現は全く別のものが入ってきているように感じる。
委員:
事務局の説明では、会社への働きかけもここに入るというが、「労働者」という意味合いがだぶって書いてあるのか、それとも特に働いている個人に対してということを強めたいのか。又は、そういう意味ではなく、例えば労働組合みたいなことなのか。雇用側ではなく、雇われるほうの側にということか。
会長:
おそらく、ここで「労働者」と出てきたのは、企業や職場に対して仕事と子育ての両立支援を求めていくといった時に、新座市には次世代育成支援行動計画の策定を義務付けられている事業所が数社しかないため、アプローチをする先がわずかしかない。
一方、働いている人、従業員側は市民として多くいる訳である。
よって、そういう人たちへの働き掛けをするほうが、市町村の次世代育成支援行動計画における仕事と子育ての両立支援にとって良いのではないか。大きな会社が少ないため、いない相手に球をいくら投げてもあまり意味がない。それであれば働いている人にアプローチしようということで、この「労働者」という言葉が出てきたと思う。
ただし、「労働者」という言葉がこの流れの中で良いかどうかというと、若干違和感を覚える。
副会長:
私の研究している分野では、「労働者」というのは違和感がない。
しかし、「及び市民」という言葉がどういう関係にあるのかわからない。市民という言葉はもっと広く、その中に労働者が入るはずであるから、これはどういう関係なのだろうかと思った。企業に対してだけでなく、働く側の人に対してのアプローチも必要ではないかと個人的には考えているので、労働者という言葉が適切かどうかは分からないが、働いている方に対してのアプローチという事務局の考えには共感するところがある。
会長:
例えば、これを経営陣と労働者という構造で語られるよう「さらに子育て家庭にも配慮した、企業の取り組みが促進されるよう、企業経営者への働きかけにも取り組むとともに、関係機関と連携を取りながら労働者への働き掛けを行っていきます。」にすれば多少違和感は減るのではないか。
委員:
「市民」を取ってしまえば、全く問題ないと思う。
会長:
「市民」がある中で「経営者」という言葉を入れると少し違和感がある。
ただし、市民全体へのメッセージも送っていきたいということであれば、この「市民」という言葉は必要である。
委員:
市民への働きかけを前に持っていき、企業の子育て支援体制を支えるために、その雇用者と労働者に対して働きかけるということでどうだろうか。
委員:
「労働者」とは企業で働く人という意味で、「市民」というのは仕事をしていない人というふうに解釈した。
事務局:
「労働者」は会社員や企業に従事されている方で、「市民」というのは、例えば定年退職された方、専業主婦の方などもっと広い意味であり、「市民への働きかけ」というのは、気運の醸成を図るものである。現在仕事をしている人と別に記載をしたが、労働者も含めて「市民」ということで考えれば、労働者を削り、「市民」のみでも良いと思うが、今回はあえて分けて案として出した。
会長:
基本目標の2番の内容については、今までの議論を踏まえ、次回までに事務局から修正案を示してほしい。
これ以外に、3番のところが気になった。今回は、子どもの視点を重視するということで、「親と子の学びと育ち」から「子どもが自ら育つことを応援」というテーマが最初に出ている。
一方、内容では「自立した、次代の親となるために」とあるが、必ず親にならなければいけないというプレッシャーが掛かり過ぎているような気がする。「充実した次代の担い手」などの表現に留めておいたほうが良い。子どもを生まない人に対してネガティブな表現になっているのではないか。
事務局:
例えば最初に、「次代の担い手である」という言葉があるが、それを後ろして「地域の子どもたちがその成長とともに豊かな心と体を育み、自立した次代の担い手となるため」ではいかがか。
会長:
加えて、ここは親自身が学び育っていける、地域の社会の学習環境の整備である。地域子育て支援センターは、ここには含まれないのか。
事務局:
前期計画では、基本目標3番の部分に地域子育て支援センターは入っていなかった。
しかし、各センターでいろいろ工夫をして講座を開催したり、事業を行っているので、後期計画においては、1番と3番の両方に掲載するということは可能である。
委員:
基本目標4番で「安心な」という言葉が取れて、「生活環境に恵まれたまちづくり」になっている。すごい目標だと思う。
委員:
内容に「犯罪を未然に防ぐ」とあるが、趣旨としては問題を抱えた子どもを支えるということか。不登校の子どもたちや、中学校で相談室を利用している、非行少年とまでは言わなくても、学校でつまづいている子どもは多くいる。
事務局:
非行少年というか、「要支援児童」については、1番の内容の中に含まれている。
また、児童虐待等については、基本目標1番の施策目標3番で、「要支援児童への対応など、きめ細やかな取り組み」ということになっているが、前期計画では非行・ぐ犯少年に対する取り組みについては含んでいない。
委員:
非行の問題のほか、学校に来ているが教室に入れない子がたくさんいる。そのような子ども達に対する配慮はどうだろうか。
会長:
入ってこないわけではないが、その表現を基本目標の説明の文言に盛り込むかどうかである。その下のより細分化した施策、個別の施策のところでは当然入ってくる。
不登校絡みでは、基本目標3番目の内容「地域の子どもたちが、その成長とともに豊かな心と体を育み、自立した次代の担うための体制づくりを進めていきます。」というところに、困難な状況を抱えている子どもに対して積極的な支援策を取るということで入るのではないか。
委員:
3番の目標の文言だが、「子どもが自ら育つことを応援し」と書いてあるが、「自ら育つ」というのは結構厳しいという感がある。子どもなので、地域や親が育ててやるものである。例えば「幸せに育つ」や「健全」が良いのではないか。
内容の文章は問題ないが、目標の部分の「自ら育つ」という言葉は、乱暴過ぎるのではないかという気がする。
委員:
私も少し冷たいと感じた。例えば、朝食を取らずに学校に行く子どもが多くいる。朝食を親が作らないので、子どもが自分で作りなさいというような、自分でどうにかしなさいということが強く主張されているような気がする。
委員:
自ら育つ、その潜在能力を発揮するための条件整備、条件づくりというのは国の責務と考える。
会長:
「応援し」とあるので、子どもの中にある育つ力を周りが応援していくということである。
委員:
前期計画の「親と子の学びと育ちを応援するために」という基本目標は、このままで良いと思った。
よって、今回修正案で出された「子どもが自ら育つことを応援する」という言葉を、内容に入れるのが良い。なぜならば、子どもが成長するには親が必要であり、やはり親も成長しなければいけないので、「親と子の学びと育ちを応援」することが必要である。内容の方に、各委員から出た意見を要約したものを書けば良いのではないか。
会長:
今回、国は子どもの視点を一番に示している。これは、前期計画には抜けていた部分である。子どもの計画なのに、子どもの視点がなかったということが分かったので、特出ししている。今回入れないと、新座市はまた子どもの視点を入れないのかということになりかねないがいかがか。具体的な言葉で御意見をいただいた方が、事務局も考える方向性が見える。
委員:
「自ら」という言葉が強いので、「みずから」と平仮名にしてみるのはいかがか。これはとても良い言葉だと思う。今の子どもにはこの点が欠けているので、自ら育つことも良いし、次世代育成というのはやはり、親も学ぶので「親が学び育つ」ということもとても良い。
「自ら」のニュアンスが、少々きついと感じるのならば、同じような意味合いを持ったもので、別の優しい日本語に変更してはいかがか。
委員:
それよりも「応援」が良くないと感じる。今、批判されている日本の子どもの貧困などは、国や政府の教育投資が一番先進国で低い点などである。「応援」が第三者的に何か精神的なバックアップのように感じてしまう。
委員:
高校生と乳幼児では捉え方が違うのはないかと思うが、私も「自ら育つ」というのはきつい表現だと感じる。
育ち方にいろいろ問題はあると思うが、子どもは育児に積極的ではない親の元でも育つには育つ。
会長:
親がどうであれ、社会的にやはり補完していかなくてはいけない。その辺りはいろいろ解釈がある。だから、「応援し」という言葉をもう少し強力に打ち出してはどうか。
委員:
「育む」のは応援する側だろうか。そうであると「子どもの自主性を育み、親が学ぶことを応援するために」というのでは、少々表現が弱い。
会長:
「子どもが自ら育つための環境づくりに責任を持つ」というぐらいの意味付けがほしいということであろう。環境がなければ、子どもが自ら育つ力を発揮できないのではないだろうか。
委員:
自ら育つ力を応援していくとし、「育つ力」を入れるのはいかがか。
会長:
事務局で再検討してほしい。次回、改めて協議する。
事務局:
子どもの視点という部分をもう少し出したいということで、このような案を出したが、御意見を踏まえて再検討する。
会長:
他の意見はいかがか。
委員:
基本目標3番だが、子育ての環境は今まで多く取り上げられてきていて、実際に新座市の出生率が多少上昇してきている。
ただ、私が別の機会で問題に取り上げているのだが、未婚・晩婚化が非常に進んできている。若者たちが家族というものを意識しなくなってきたという問題をうまく取り上げてほしい。学校などの教育現場でも、保育体験等をやっているので、その辺りをより深く取り込んではいかがか。
会長:
国で婚活の議論をやっているので、婚活ではなくても、家族というものをきちんと教育していくということは重要である。その辺りは、あまり盛り込まれておらず、新しい流れであると考える。
前期計画のときに中学生と赤ちゃんの出会いの事業があったが、それに類似する新規の提案というのは特にないのか。
事務局:
現在、乳幼児と中学生の触れ合い事業については、子育て支援ネットワーク事業という事業の中で行っている。昨年度は、地域子育て支援センター利用者親子の協力を得て、第三中学校で行った。
会長:
そういうものをもう少し強化していき、そのありようを3番の辺りで、中学校とか高校レベルでやっていくというようなことが、延長線上でできると思う。
未婚者への対策については、何かやっているか。
事務局:
以前は、新座市社会福祉協議会で、結婚相談の日や、お見合いパーティーのような事業もやっていたが、7年程前に終了した。
委員:
基本目標2番について、目標の部分はこれでも良いが、内容に再就職を希望している子育て家庭のために、というものを入れてもらえると良い。そうでないと、2番は完全に現在就労している人の内容になってしまう。働いている人も、再就職をしたい人も入るような内容になるとより良い。
会長:
後期計画の策定指針の中では、国は再就職に関して、そこまでは挙げてきてはいない。
しかし、人口減少で労働人口が減っていくという現状では、家庭で眠っている埋蔵労働力という巨大な鉱脈があるので、その人たちがうまく社会復帰できるように橋渡しをするということは大切なことであると考える。
事務局:
市の事業では、ひとり親家庭の就業支援がある。基本目標では1番のところに入るが、ひとり親家庭が例えば資格を取得する際に給付金を支給する事業等を行っている。
ただし、ひとり親家庭以外では、例えば、公民館等でのパソコンの講座など、スキルアップのための学習の機会はあるが、就労を支援するための事業というのは現在はない状況である。
前期計画の 100 ページ、育児中の親の再就職支援という項目で、ハローワーク求人情報の提供がある。市役所の中には地域職業相談室というのがあり、そこでハローワークの求人情報を見ることができる。このような事業を市で行っているので、例えば「多様で弾力的な保育サービスの充実」という部分に「弾力的な保育サービスや、就業支援サービスの充実を図っていきます。」というように加えることは可能かと思う。
なし