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平成23年度 第2回 新座市次世代育成支援対策地域協議会
平成24年2月15日(水曜日)
午後 6時30分から
午後 8時30分まで
新座市役所 本庁舎 2階 全員協議会室
坂本純子会長、禿あや美副会長、竹下由美子委員、小林映子委員、小長井賀與委員、高橋美保委員、野島節子委員、小川清委員、前里ひで委員、小池友美委員、河内康子委員、内籐由紀子委員、甲田由夏委員、石井英子委員、山野辺範一委員、山口哲也委員
計16人
子ども家庭応援室:本名副室長兼家庭児童相談係長、金山子育て支援係長、渡辺主任、伊東主事
計4人
公開
(傍聴者 なし)
協議会の出席のため、家庭での保育が困難となった委員の子どもの保育を行った。
子ども:計5人(3家庭)
保育者:新座市ファミリー・サポート・センター協力会員 上窪田 玲子、村上 由美 計2名
資料について事務局から説明
東日本大震災の被災地での活動の報告(会長)
被災地での子育て支援の研究、支援活動の一端を御報告いただいた。
会長
震災後、被災地の子育て支援センターがどのような行動を取ったのかをテーマに研究の委託を受けた。何度も被災地に足を運ぶ中で、支援を行いながらもまとめてきた。
被災者の声を聞くなかで感じたことは、保育園などに所属せず在宅で子育てしている人は情報から孤立していたこと。全体の子ども数の半数くらいにのぼるので、減災対策の中で考えていかなければならない課題である。
東北地方は地域的特性で性的役割分担が根強く残っている地域でもあった。家事を担っていた母を亡くした父子家庭が特に大変苦労されている。行政の支援が行き届かない環境で、父親が近所のインフォーマルな支援をどれだけ持っているか。子どもが本当に辛い思いをしている。
参会の皆様もそれぞれの立場で子どもに関わっていると思うが、自分の身は自分で守るということを一度見直すことが大切である。
新聞報道の説明。当市で発生した児童死亡事例については、要保護児童対策地域協議会で検証を行い、埼玉県の重大事例検証委員会でも検証を行っている。原因の解析と再発防止に努めていく。
資料5に基づき児童虐待防止事業について説明。要保護児童対策地域協議会は子どもの権利を守る環境整備、及び保護が必要なお子さんの適切な対応に向け関係機関が情報共有するための協議会。3層の会議で構成され目的に応じて開催・研修。チラシに基づき、虐待の通告があった場合の市の対応説明。虐待通告から48時間以内に対象児の安否を確認し、児童相談所をはじめ関係機関と連携して対応を決めていく。
虐待防止に対する自身や地域における経験、取組等を順番に発表していただく。委員 親子劇場で活動をしている。子育てを楽しんでいる家庭が多いので、虐待を目の当たりにすることは少ない。活動に出て来られる方は子育てにオープン。
ところで、委員であるひとり親会会長の御出席が無いのが残念である。支援が届きにくいであろう父子家庭の支援について生の声を持っていらっしゃる。
委員
児童センターで非常勤の仕事をしている。利用者は専業主婦の家庭が多い。子どもに時間・愛情かけて育てていらっしゃるという自負もあるため、違和感がありアドバイスが必要と感じても声かけが難しいと感じる。
委員
大学では非行を専門にしている。死亡虐待事例は専門ではないが遠くない。通告がある場合、児童相談所に繋ぐと思っていたが市も対応することを初めて知った。
通報がありながらの虐待死亡事例が社会問題となっているとおり、アプローチの難しさがあると思う。市や児童相談所、市の中でも通告窓口が分散することで横の連携が取りにくいという心配はないのか。
事務局
法に基づき一義的な対応は市だけでも行っていくが、重大な事例については、児童相談所と連携していくこととしている。
当市では、要保護児童対策地域協議会のもと各機関の役割はうまく機能していて情報は集約されている。
会長
発見した方が連絡をしてくれないと、発見に繋がらない。地域からの連絡が、子どもに手を差し伸べる最初のチャンスである。
委員
個人の体験としてお話する。井戸端会議で近所の情報を共有し、ネグレクトの心配のある家庭をみんなで見守っている。実際、いざという時に、家に連れて行って親に声かけしたこともある。
会長
声かけすることで親も襟を正すきっかけになる。最近は、若いお母さんたちの間では虐待に対する感受性が強くなって、周囲の目にビクビクしている様子も見受けられるのは少し問題だ。
委員
PTAの代表として参加している。PTAには学校の把握している問題家庭の情報は入って来ないため、会として何か対応するのは困難。何かあれば中学生である子どもたちが自分でSOSするために必要な情報提供などに協力して行きたい。
会長
自分でSOSする力を啓発するのにCAPというプログラムがある。ずっと虐待の家庭にいると、自分で発信する力も削がれている場合があるので背中を押してあげられるといいですね。
委員
町内会として地域の安全対策については、児童に限らず個人情報の取得に制限があり、家に入っていけない現状がある。防災の観点からも担わされる役割が大きいにもかかわらず個人情報保護が壁になっている。
会長
町内会には啓発等で大きく貢献していただいていることと思う。
個人情報保護法の是非はともかく、隣人としてできることを。
委員
障がいを持つ子の親が集まる会である。躾と虐待の境目が特に難しいと考えている。良かれと思って一生懸命子どもをしつけても周囲からやり過ぎと捉えられることも。会の中でも小さい子どもを持った親ほど悩みを抱えている。先輩の親たちが相談に乗ることで、お手伝いできたらと心がけている。
会長
子育てはただでさえ悩みながらやっていくもの。御苦労をされている方は同じように苦労している仲間と分かち合わないと追い詰められてしまう。周囲が心を寄せることができる地域にしていかなければ。
委員
個人的体験から不安に感じていることを。近所に躾が行き過ぎていると感じる家庭がある。子が学校から帰って寝るまで行動の一から十まで常に子どもに対し「○○しなさい」とこと細かく叱る。大声で近所でも相当話題になっている。子ども会には積極的に参加する家庭である。声をかけていいかどうか悩んでいる。上の子が怒られているそばで下の子が泣いている。こどもは返事もしない子であり、暗くて気になる。学力も低くうわの空。学校でも有名で、どんなふうに接したらよいか悩んでいる。
会長
御近所からの声かけの方が、ソフトなアプローチである。通告として、行政が訪問となると熱心な親ほど心の傷が残ることもあり。声かけの中で相談に繋がったりするのが理想。
委員
子どもがハッピーにしているかどうか。信頼関係があればきつく言うこともありだと思う。総合的な判断も必要。
委員
子ども会の代表である。生死にかかわる虐待は見たり感じたりしたことはない。会は成熟した親が多いと感じる。子のケアや「何となく」声かけしたりが上手。具体的には、気持ちの高ぶりやすい母がいて、いつもしわ寄せが子どもに向かうが、気持ちを鎮めるため近所で協力し母子の話を別々に聞いて吐き出させてあげるなどしている。母自身が暴力を受けて育ったようである。
会長
暴力には連鎖があり、どこかで断ち切らなければならない。虐待をする側は感情のコントロールができない人も多い。感情のトレーニングのプログラムがある。こうしたものを積極的に供給できるようになればいいのにと思う。
委員
保育園の保護者連絡会からの代表。公立の保育園は父母会があるが顔を出さない、連絡網が繋がらないなど気になる家庭は必ずある。
しかし、皆仕事を持ちながらの育児であり自分のことで精一杯。一歩ふみこんでコンタクトをとる動きはまだできない。周りの保護者を気にかけられる仕組み作り、意識付けができるといいなと考える。
委員
学童の代表として。子どもを通じて保育園、学童で様々な家庭を目にするが、目立って違和感のある家庭はすでに先生・指導員たちが拾っているんだろうなと思ってしまうので、あまり積極的にアクションを起こさないものである。啓発パンフを見て改めて気付かされることがあった。子どもにとって傷になっていることもあると思うと、子どもたちが自分でSOSを発信できる教育が必要であると考えさせられた。
委員
法人保育園代表。気になる子がいる。保育所は仕事が忙しいから預けている半面、仕事をすることで育児から解放されることになり、すごくいいシステムであると思う。近隣の目から通報を受け相談機関に繋ぐことで保育所に来られるようになったケースもある。大人の生活に振り回され、気持ちのはけ口として使われてしまっているケースも多く見受けられる。親に園に足を運んでもらい、他の子どもの面倒を見ることで自分の子への見方が変わるような取組を少しずつおこなっている。
会長
若い母のなかには、生活能力自体が低く、結果的に育児放棄ネグレクトになっているケースもあり、保育園がそういった力の弱い家庭の受け皿にもなっていただいているところである。
委員
商工会の事務局。立場とは関係ないが個人的な体験をお話しする。
ボランティアでスポーツ推進員、小学校でパワーアップくらぶを行っていて子どもたちとは顔見知りになり、近所の子どもたちは寄ってきて挨拶してくるようになった。顔見知りとしての近所の目は非常に大切であることを感じている。町内会の防犯パトロールも顔が見える近所ですることに意義がある。取り組んでいただいている町内会の方々には頭が下がる思い。
委員
労働組合代表。児童虐待の話題とは縁遠い。個人的な出来事として会社でのエピソードを。育児ノイローゼになった社員がいた。家族の問題であり第三者だが虐待、夫婦、介護という問題をどうしたらいいのかと迷った経験がある。ライフステージの変化に合わせたサポートが必要と。虐待の問題だけでなく社会構造全体の問題として捉えていく必要がある。
副会長
当方の跡見大学では臨床心理学科があり付属機関心理教育相談所としての取組があり、精神科の教諭もいる。どこに相談したらいいのか、という方は是非御利用の御検討を。
皆さまの身近なところで様々な取組があり、新座にはまだまだ、地域の虐待予防の力があることを実感したところである。
いただいた御意見をしっかり受け止めて次の計画には虐待の防止について反映させていただくよう市にもお願いしたい。
閉会挨拶(副会長)