本文
令和6年7月17日(水曜日)
午後2時から午後3時48分まで
新座市役所本庁舎3階 301・302会議室
平野方紹委員長、石井英子副委員長、山口博司、鈴木浩司、新井啓司、木村靜江、荻原伊佐夫、眞田幸子、原愛、布川英之、八代剛、山田なぎさ、宮崎廣志、細谷忠司、中島智子、甲田由夏(16名)
赤木誠治
障がい者福祉課長阿南啓吾、同課副課長兼給付係長加藤賢、同課給付係主査佐藤紗織、同課給付係主任吉敷賢一、同課給付係主事坂口昂希
一部公開
(介助者2人、手話通訳者2人、要約筆記ボランティア2人、傍聴者1人)
議題3については、個人情報保護の観点から非公開とした。
午後2時
委員長
事務局において、第6次新座市障がい者基本計画等に関し、令和5年度第6回新座市障がい者施策委員会及び令和5年度第5回新座市地域自立支援協議会における審議内容を踏まえ、新座市障がい者施策委員会委員長及び事務局による協議の結果、改めた箇所について説明した。また、協議後、市内部での手続を経て、令和6年3月末日に計画等を市ホームページへ掲載し、併せて障がい者福祉課窓口及び関係機関に配置したことを説明した。
委員の皆様から、質問又は御意見を頂くこととして、議事を進行した。
委員長
事務局から説明があったとおり、令和5年度第6回新座市障がい者施策委員会及び令和5年度第5回新座市地域自立支援協議会において、計画等の内容については、委員の皆様には了承いただいている。
計画等の基本方針2の標題「権利擁護の充実」に関して、「差別の禁止について、もっとはっきりと市としてのスタンスを出すべきだ」という意見が委員から出されたことを受けて、事務局と協議を行った。
その結果、基本方針2の中項目について、「差別解消の文言」を加えたほか、同項目における分野別施策の掲載順を変えたものであるが、内容は委員の皆様に了承いただいたものと同じである。表現としては、差別の禁止について、はっきりとした市としてのスタンスを得られたというもので、その後、市長へ計画書の答申を行ったというのが前回会議後からの経緯である。
委員
第6次新座市障がい者基本計画では、公共施設における実習体験等に関する項目が抜けていることについて意見を申し上げる。
公共施設での実習等というのは、いわゆる市役所の実習なのだが、これは障がい者がどのような形で実習ができそうか、当時の障がい者福祉課長や職員との話合いを経て始まったものである。障がい者と職員の間のコミュニケーションから生まれたという経緯がある。
現在、就労支援センターで実施している実習というのは、ハローワークの下請けのようなものだと思っている。
提案なのだが、第7次新座市障がい者基本計画の策定に向けて、新座市障がい者施策委員会、新座市地域自立支援協議会及び新座市障がい者就労支援センター運営委員会の委員の方々に、実際に障がい者が市役所で実習している様子を収めたビデオを見てもらいたい。その上で、基本計画における、公共施設での実習の文言の取扱いについて議論したいと思う。
委員長
公共施設での実習に関し、次の計画に向けての議論の中で話を進めていきたいということと、職場実習の様子を収めたビデオの件に関しては、それぞれの会議体へ相談するということでよいか。
委員
これは本当に重要なことなのでよろしくお願いしたい。
委員長
以前の議論の中で、公共施設での実習に関し事務局から説明があったが、障がい者を排除しているのではなく、個人情報保護の関係で、職員でない人間が市役所の中に立ち入ることが難しくなってきた。こうした問題があるので、実習のやり方については、今後の検討事項ということでよいか。
他に意見等はよろしいか。
(意見及び異議なし)
事務局において、共に暮らすための新座市障がい者基本条例啓発パンフレットの改訂予定とその経緯について説明した。
委員長
このパンフレットは、共に暮らすための新座市障がい者基本条例の普及啓発を図ることを目的として、平成28年に作成したものである。
大学の学生たちにアイデアを出してもらってこのようなパンフレットにしたのだが、見てもらえば分かるとおり条例の逐条解説はできるだけ入れないようにしようということで、条文に関する情報はページ下部に、条例の考え方をページ上部に配置しイラストも入れることで、なるべく分かりやすくなるように作成したものである。
残念ながら、基本条例の認知度は高いものではなく、基本条例の制定から20年近く経過して様々な状況も変わってきたことから、改訂版を作成することとなったものである。
委員
パンフレット表紙の「新座市民の約束です」という部分について、市民だけではなく、市役所や市内事業者を含めたみんなにとっての約束ごとではないのか、という意見が他の人から出るのではないかと感じた。
2ページで、「障がいのある人もない人も」という書き方をしている時点で障がい者と健常者を分け隔てしていると感じた。
一番気になったのは、4・5ページの「障がいってなんだろう」の部分で、間違ってはいないと思うが、首をかしげるような表現になっていると感じた。
4ページの精神障がいについての説明では、「精神のはたらきが不安定になり、継続的に日常生活や社会生活に制限がある状態のこと」との記載がされている。健常者でも精神のはたらきが不安定になることはあるので、この表現は適切なものと言えるのか気になった。
それと全体的に言えることだが、身体障がいについては、身体の機能に障がいがあることによってどのような社会的障壁が発生するのか説明されているが、知的障がいについては、「知的な遅れが生まれること」としか記載がなく、それによってどのような社会的障壁が発生するのか説明がないため、アンバランスであると感じた。
5ページ下部の部分は社会的障壁について説明しているのだと思うが、7ページ下部にも同様の記載があるので一つにまとめた方が良いと思う。
6ページの「生活分野における差別」についての説明で、「障がいのある人とその家族に断りなく、障がいについて調べること」は障がい者差別に当たると書いてあるが、障がいを理解するために調べるということはあってしかるべきで、悪意を持って調べるということが良くないのではないかと思う。
委員
初めてパンフレットを見たが、現行のパンフレットは市民の目に触れる機会は少なかったものと思う。窓口に設置してもらったり、子どもにも分かりやすいものとして、みんなが手に取って見ることができるように、どういったものが新たに作成されるのか楽しみにしたい。
委員
4・5ページの障がいの説明について、障がいを6つの区分に分けているが、根拠は何なのか気になった。手帳なのか、それとも障害者基本法をベースとしているのか。少なくとも教育の現場ではこういった分け方はしていない。今後、教育現場でも使うのであれば、何を根拠にした説明なのかちゃんと伝えることが重要だと思う。
例えば、4ページの知的障がいに関する説明は、障がいを後天的なものとして捉えていると感じた。多くは先天的な障がいとしての知的障がいであるので、他の障がいの説明に関しても同様のことが言えるが、何を根拠に説明していくのかという話になると思う。
4・5ページの障がいの区分に関して、発達障がいや高次脳機能障がいは、障がい者手帳という観点からは、精神障がいに分類されるものであると思う。パンフレットにおける障がいの区分が、障害者基本法を根拠としているのかというところも検討してもらいたい。
5ページ下部の説明について、市の計画の中では「障壁」という説明がある。「障がい」と「障壁」の言葉の使い方がもう少しはっきりすると、教育現場でも使いやすいと思う。
11ページ下部のバリアフリーの考え方について、世の中では「バリアフリー」という言葉も必要だが、子どもたちの間や教育現場では「ユニバーサル」という言葉の方が適切だと思う。新座市の、「障がいのある人もない人も、みんなにとって共に暮らしやすいまち」という考え方においては、バリアフリーよりユニバーサルという言葉の方が馴染むのではないか。未来の子どもたちに向けて、これからパンフレットを長く使うとなったときに、文言の使い方について考える必要があると思う。
委員
漢字のルビやイラストがあって、分かりやすいと感じた。
8ページから10ページまでの合理的配慮の具体例についても、ある程度掲載されているのでこれはこれで分かりやすいと感じた。
基本条例等の条文がページ下部に掲載されていること自体は良いことだと思うが、合理的配慮についてはもう少し具体例があっても良いと思った。
委員
パンフレットがどのような形で活用されているのか気になっている。文章量に圧倒されて、これを全部理解してもらうのは難しいかもしれないが、例えば「障がいってなんだろう」っていうことだけでも理解してもらえればこの冊子を作った意義があると思う。使用する言葉について、時代に即したものとして、中学生ぐらいの子どもたちに一番伝わるといいと思う。
委員
イラストが多く、色も豊富で見やすいと思った。
条例やパンフレットの周知がどの程度されているのか気になった。せっかく作ってもらっても、我々の世代だとなかなか手にする機会がなかったし、公民館などでもちゃんと探さないと見つからないものだったと思う。パンフレットを手に取ってもらえるようなアクションがあると良いと思う。
委員
このパンフレットについて、条例を一般の方に分かりやすく伝えるために作っているというのは意義のあることだと思う。
細かい文言については、時間の経過とともに新しい考え方が出てきたり、細かい内容で現状と相違している部分もあるので、そうしたところの検証、整理が必要だと思う。
パンフレットを改訂するに当たり、どうやって広めていくのか。条例の基本的な考え方を、障がい者やその関係者以外にも知ってもらうという観点からすると、パンフレットを作成することそのものよりも、どのようにパンフレットを使用、周知していくのかが重要だと思う。
先ほど中学生ぐらいに理解してもらえるものという話があったが、パンフレットを基にして、学校の道徳の授業などで、障がい者に対する基本的な考え方が広まっていくきっかけになるのではないかと思う。
委員
パンフレットは、分かりやすい言葉で書いてあると思う。
援助される側、援助する側それぞれの立場に立って考えることができるような言葉が使われていると思った。
委員
これから共生社会を目指していくに当たり、障がいや差別について子どものときから理解してもらうことが大事だと思う。
パンフレットは小さい子どもでも理解できるような文体であることが大事だと思う。学校のクラスの中で、障がいのある子と障がいのない子が一緒に生活をする場面もある。そのときにパンフレットを読むことで、障がい者には、障がいにより制限されることがあるが、それを周囲がサポートするものということを理解してもらえるパンフレットにできると良いと思った。
委員
文章に関しては簡単にまとめてあって分かりやすいと思う。
聴覚障がいに関する部分は、文章による説明だけでなく、手話のイラストなども入れてもらえると分かりやすくなると思う。
委員
2ページの前置きの中では、「お互いに人格・個人を尊重し合う」という意味が含まれていないので、そこの意味を含んだ文章を書いてほしい。
また、パンフレットを小中学校に配布するのであれば、同じクラスに障がいのある人が在籍することが大事だということも書いてほしいと思う。
委員
パンフレットでは、高次脳機能障がいについて精神障がいとは分けて説明されているので良いと思った。
新座市には以前、みどり学園とわかば学園があったが今はアシタエールになり、いろいろな子どもたちが一緒に学んでいる。アシタエールでもこういう資料がいかされると良いと思った。
委員
10ページの「事業者の方に協力してほしいこと」のところに関連して、企業における障がい者の法定雇用率は今年から上がっていて、今後も引き上げられることが法令で定められており、障がい者の求人についての相談も前年から徐々に増えてきているという印象がある。
6ページでは障がい者へ向けた市の相談窓口について案内されているが、企業でも障がい者の雇用について日頃から悩みを持っていると思うので、企業向けの相談窓口について市から案内してもらうのも良いと思う。
委員
今の学校の現状としては市内全ての小中学校に特別支援学級が設置されているため、支援級の児童が通常級の児童と交流を持つことが日常的な生活の様子になっている。通常級の中にも障がいがあったり、支援を必要とする児童が在籍しているケースもあリ、そういった環境で1年生のうちから生活しているので、条例について小さいうちから子どもたちに教えることが必要だと思う。
小学校では総合的な学習の時間というものが3年生から始まるが、主に4年生が福祉の教材を扱っていて、ここでユニバーサルデザインについても触れている。そのため長い時間をかけてこういったことを学んでいる。
学習方法としては、タブレット等を活用してそれぞれが障がいについて調べたり、学んでいくということをしていて、それをクラスの中で発表するような授業が多いと思う。
こうした状況の中で、このようなパンフレットがあると子どもたちの学習が盛んになると思うし、市がこういったものを作っていることに対して、新座市はすごいなという思いに繋がるのではないかと思う。
実際に今年度も4年生が社会福祉協議会と連携した、車椅子、視覚障がい、聴覚障がいなどの体験を通じて、障がい者が感じている不自由さを経験してもらうような学習を実施している。
今の子どもたちはインターネットを使って各自で調べるということができているので、パンフレットが完成した後でも構わないが、デジタル版も用意して法令のリンクを掲載したり、ひらがなの表記があったりすると、非常に学習に役立つと思う。小学校の段階で学習に役立つということは、子どもたちがいずれ成長していったときに、新座市全体にこういったことが浸透するきっかけになると思う。また、そこで得た学習というのは、必ず家庭に持ち帰るので、家庭での広まりも期待できるのではないかと思う。
委員
障がい者差別の解消はすごく難しいことだと思う。
こういったパンフレットを作って、みんなに理解してもらうことは大事なことだと思う。一人でも多くの人が、障がい者のことを理解してくれたら障がい者にとって住みやすい世の中になると思う。
障がい者に対してこうしないといけないみたいな強制的なものではなく、「じゃあ障がいについて勉強してみよう」とか、「障がいについて知りたいから話を聞きたい」といった雰囲気になったときに、このパンフレットが役に立つのではないかと思う。
委員長
皆様、御意見ありがとう。貴重な意見を頂いたので、改訂版のパンフレットを作成する際にそれらを反映していきたいと思う。
平成27年度当時にパンフレットを作成した立場から述べるが、作成から10年近く経過して、いろいろと状況も変わってきている。裏表紙を見てもらえると分かるが、このパンフレットは障害者差別解消法が平成28年4月1日に施行される前に作成したものである。先ほど指摘があったが、当時は社会的障壁や合理的配慮という言葉が社会に浸透していなかったため、あえてこういった表現を使っている。
また、パンフレット4・5ページの障がいの区分については、障害者基本法の区分と表現を引用したものである。先ほど委員の方からお話しがあったが、高次脳機能障がいや発達障がい、難病といった言葉が初めて登場したのもこのときである。今の感覚から見ると、何だこれはと思うような表現も数多くあるが、当時とすると、かなり強く踏み込んだ内容のものであった。
ただ、やはり10年という時の流れの中では、当時は良いと思ったものでも時代の流れで変わってきているものがあることも事実なので、委員の皆様に意見を出していただいて、これからの子どもたちに理解してもらえるようなパンフレットを新たに作りたいということである。
現行のパンフレットを作成した頃にやっとバリアフリーが本格化してきて、バリアフリー新法という新しい法律も制定された。当時は、ユニバーサルという言葉にたどり着けていなかった時代背景もあって、パンフレットではこのような表現になっている。
心のバリアフリーという項目については、当時、委員の方からぜひ入れてほしいという意見があったことから、パンフレットに取り入れたということもあるが、この10年の間に良い意味で変わった部分もたくさんあると思う。一方で、これから変えなければならない部分もたくさんあるので、委員の皆様からの意見を踏まえて良いものを作っていけるよう今後も検討したいと思う。
議題3については、個人情報保護の観点から非公開とする。
事務局において、障がい者向けグループホームの運営会社「株式会社恵」がグループホーム入居者から食材料費を過大徴収していた問題について報告した。
委員長
委員の皆様においては、新聞報道等から本件について御存知のことと思う。また、強い関心を持っていることと思う。現在の状況は、事務局から報告があったとおりだが、6月26日以降に事態が急展開したということで、まだ流動的な状況である。国・県における今後の具体的な対応については、はっきりしない状況であるが、現在分かっていることについて事務局から報告してもらったものである。
今後の対応について一言で言うと、現に当該グループホームを利用している方たちに不利益が生じることなく、安心して今後のことができるよう、市として全力を尽くしてほしいと思う。
本件に関しては、今後も委員の皆様に情報提供していきたいと思うが、個人的には、福祉の業界でこのようなことは絶対にあってはならないし、許してはいけないと思う。先ほども述べたが、何よりも利用者とその家族が安心できるよう、市としても頑張ってほしいと思う。
(このほか、委員からの質問・意見はなかった。)
午後3時48分