本文
令和6年10月30日(水曜日)
午後2時から午後3時34分まで
新座市役所本庁舎3階 301・302会議室
平野方紹委員長、石井英子副委員長、山口博司、新井啓司、木村靜江、荻原伊佐夫、井ノ山正文、並木則康、大島孝之、松前節子、横山創、宮崎廣志、細谷忠司、中島智子、甲田由夏 (15名)
障がい者福祉課長阿南、同課副課長兼給付係長加藤、同課副課長兼調査認定係長小山、同課障がい者支援第1係長松柳、同課給付係主査佐藤、同課給付係主任吉敷、同課給付係主事坂口、障がい者就労支援センター所長藤澤
公開
(介助者6人、要約筆記ボランティア2人、傍聴者6人)
なし
午後2時
委員長
事務局において、新座市障がい者基本計画(第5次)の評価結果報告書に関し、令和5年度に作成した報告書から更新した内容について説明した。また、令和4年度に実施した「障がいのある人もない人も共に暮らせる新座市をつくるための調査」に関する結果報告書における分析について事務局から説明した。
委員の皆様から、質問又は御意見を頂くこととして、議事を進行した。
委員長
昨年度までを推進期間とする第5次新座市障がい者基本計画の評価結果報告書について、計画策定時の資料として令和5年度の半年までの段階で、一度、その内容について合意を得て作成していたが、今回、これが令和5年度末までの内容に更新された。この評価結果報告書が最終版であり、新座市の取り組んだ結果となる。
質問、意見等はあるか。
委員
評価について、意見したい。
施策事業「心のバリアフリーの推進」について、報告書に書かれていることも大事だと思うが、保育・教育との関連が非常に大きいと思う。
報告書26ページの施策事業「保育・教育環境の整備」については、「期待以上」との評価がなされており、市として様々な取組をしているということが強調されている。その中で、「個別のニーズに対応できるよう支援に努める」という記載があり、これはとても大事なことだと思うが、幼稚園・保育園の段階で就学について苦労していたり、迷っていたりするケースがたくさんある。個別のニーズだけでなく、環境調整という考え方が大事だと思う。
報告書27ページに記載されている教育相談センターの取組も大事だと思うが、「幼保から小中学校まで一貫した支援体制が整っている」という部分についてはどのように取り組んでいるのだろうか。
報告書30ページの中項目「防災・防犯対策の充実」に関連して、新座市北部第二地区地域福祉推進協議会では、防災キャンプというものを開催しており、新座市の危機管理室とも協力しながら、地域の中で取り組んでいるものである。今年の防災キャンプは第四中学校で開催するのだが、実行委員会には中学生も参加しており、やはり地域づくりの観点が重要であると思う。
報告書では、防災対策の取組について「期待どおりでない」という評価がなされているが、地域との関係の中で地域づくりをどうするかが課題だと思う。例えば、第四中学校の武道場へ避難するように言われてもトイレが狭かったり、段差があったりといった様々な課題がある。ただ、これは教育委員会の予算になると思うので難しい点もあるだろうが、施設の整備をどのように進めていくのかということと、地域とのつながりをどのように作っていくのかが大事だと思う。
障がい者の就労に関することなのだが、重度の障がいがある方や、障がいがあることを理由に以前の職場でつらい思いをした方がすぐに就労というのは難しい。職場体験をなんとか就労につなげたいと考えている。第5次の計画の評価結果報告書では、施策事業「公共施設における訓練機会の拡充」について、継続する方針となっていたが、第6次の計画では記載が無くなってしまい議会でも市長が答弁していたと思う。就労できる可能性のある人だけが就労の支援を受けるのではなく、いろいろな方たちが社会に参加するということを含めて職場体験について何とか考えられないだろうか。
新座市が条例を定めたときに、共生社会というふうに示した。子どもから高齢者まで皆で一緒に過ごす中で違いを認め合う文化を作るというのが根底にあると思うが、具体的な形を作らなければこういったことは伝わらないと思う。
知り合いの幼稚園の園長は、公立の保育園で障がいのある子どもをもっと受け入れたり、しっかりと職員研修を実施したりすることはできないものかと言っていた。やはりそういった取組がまだ不十分であり、進めなければいけない点が多々あると思う。
障害者総合支援法の改正により、国は障がい者の地域移行の流れを示しているが、その受け皿をどのように作っていくのかが大きな課題だと思う。
就労支援の取組については、第6次の計画では記載がなくなってしまったが引き続き検討してもらいたい。
委員
障がい者は特別支援学校を卒業して地域に戻ってきたときに、人間関係が希薄で人付き合いについて悩んでいたり、それが原因でトラブルになってしまうことがある。
市役所で職場体験を実施することで、障がい者と市の職員がコミュニケーションを取りながら、どんな仕事が向いているか一緒に考えられるような関係を築いてもらいたいと思っている。
団体が実施主体となっていた、過去の市役所での職場体験の様子を収めたビデオもぜひ見てもらいたい。
事務局
ただ今頂いた意見・質問について、基本的には第5次の計画の評価を受けて、第6次の計画をどのように進めていくのかという話になると思う。
先ほど、就学相談の話があったが、事前に御相談いただいて最終的には保護者の方に就学先を御判断いただいているところだと思う。
環境調整という視点が大事との御意見は以前も頂いたが、就学相談の取組の中での環境調整とはどういうことなのか具体的に申し上げることは難しい。ただ、具体的な提案等頂ければ市として参考としたり、取り入れたりすることができると思う。
報告書27ページの「一貫した支援体制」とは、基本的にどのステージにおいても様々な相談機関が関わっていて、個々の成長に合わせた支援をしているということを説明している。具体的には、教育相談センターでは学校段階における対応のほかにも、就学前段階での相談や、幼稚園・保育所への巡回カウンセラーの派遣等の支援を行っている。また、保育所等訪問支援事業もあり、それぞれのライフステージに合わせた様々な手法によって相談を受け付けているという現状を、「一貫した支援体制」という言葉で表現したものだと考えている。
報告書30ページの防災対策に関する御意見を頂いたが、避難先となる公共設備の整備について、設備の予算は教育委員会の所管であり、避難訓練等については危機管理室、障がい当事者に関することは障がい者福祉課や長寿はつらつ課が関わってくるものである。ハード面の整備については、教育委員会が関係するものということもあり、すぐに実現するのは難しいという話を以前からしている。教育委員会側からは、市内公共施設の大規模改修のタイミングでバリアフリーの整備を実施するということは意識しているが、全てを同時に整備するのは現実的には難しいという話が出ている。
具体的な改修の要望については、障がい者福祉課としても認識しているが、施設整備の計画や予算が関係することもあり、整備のタイミングについては難しい話になる。ただ、そういった要望を出し続けていただいて実現していくというのが現実的な話になるのだと思う。
先ほどお二人の委員から市役所での職場体験についての御意見を頂いたが、報告書57ページの「公共施設における訓練機会の拡充」の項目に関連して、第6次の計画の策定前の委員会でも何度か説明しているところだと思う。この項目自体は、障がい者就労支援センター事業の中に集約して記載することとしたもので、計画の項目としては無くなったが、障がい者就労支援センターで実施している職場実習が無くなるものではないということを以前から説明しているものである。
報告書57ページに記載している内容は、実際に障がい者就労支援センターで実施している市役所庁舎内実習・職場実習の取組を指しているものであり、第6次の計画で「公共施設における訓練機会の拡充」という項目が無くなったために同センターにおける取組も無くなったということではない。市役所庁舎内に限らず公民館や図書館で実施している実習もこれに当たるものであり、第5次と第6次の計画とでそこの部分が大きく変わったという認識ではない。
先ほど頂いた御意見について、就労支援に関連して、職場実習の話から職場体験の話になったものだと思う。過去に団体が主体となって実施されていた市役所での職場体験などが、後の障がい者就労支援センターが実施している市役所庁舎内実習につながっていたりするのだが、重度の障がいのある方の職場体験などを再び実施できないのかという御意見を頂いたものだと思っている。
過去のように、障がい者が実際に市役所の事務室の中で職員と一緒に作業できるようにしてほしいという話から、過去の職場体験の様子を収めたビデオを見てほしいという話につながっているのだと思う。しかし、当時とは状況が大きく異なり、特に個人情報に関しては職員であっても扱える情報が制限されており、当時のような形で職場体験を実施することはできないということを市議会において答弁している状況である。
本委員会で、当時の職場体験の様子を収めたビデオを見てほしいという先ほどの御意見に対して回答申し上げるものだが、当該ビデオは平成10年頃に撮影された、当時の実施主体となっている団体の事業を記録したものだと認識している。我々職員も当該ビデオを確認したが、様々な関係者が写っていたもので、今から個人情報に関する同意を得ることは現実的ではなく、これを市の附属機関として視聴・上映することは難しいというのが市としての回答となる。
委員
先ほど環境調整の話を申し上げたが、障がいに対する見方が変わってきている。おそらく御存知だと思うが、個人要因と環境要因というものがあり、国際生活機能分類において、障がいとは個人の要因だけでなく、環境要因による影響も大きいということが言われている。障がい者を周りがどう受け止めるかが重要である。
市役所での職場体験について、市議会で取り上げられて、重度障がい者の職場体験は実施していないというような市の答弁であったと思うが、障がい者の社会参加を後押しするための職場参加ということを考えると、職場体験を実施することが、計画の基本方針8「社会参加の拡大」につながるのではないかと思う。以前と比べて庁舎や環境が変わったというのはそのとおりだと思うが、過去の職場体験の様子を収めたビデオには、障がい者と職員がコミュニケーションを取りながら作業する様子が記録されており、そこには交流が生まれているのである。
市職員が受講する研修ではビデオ教材を視聴したりすることがあるのだと思うが、それだけでは得られないものがたくさんあると思っている。
ノーマライゼーションの普及・啓発を図ることの前提として、お互いに知り合うことが必要だと思う。先ほど、防災キャンプの話を申し上げたが、プログラムの中で中学生が実際に障がい者の自宅へ行き、避難誘導しているのである。お互いを知り、違いを当たり前のこととして受け止めることができる環境をどのように作るのかということを市が率先して取り組んできた歴史があり、まずはそのことを大切にしてもらいたい。具体的にどう取り組めばいいのかはこれから考えればよいと思っている。
私は教育の分野でも同じだと思っている。児童・生徒の数は減っているが、支援学級・支援学校は増えている。発達障がいという言葉もあふれているが、子どもたちがお互いに違いを認め合い、受け止めながら学び、育ち合う学校や地域をどのように作っていくのか、後で教育委員会・教育相談センターへ提案したいと思っている。
委員
かつての市役所での職場体験は、重度障がい者の職場参加という形で実施していた。それが就職につながるかどうかは別として、まずは市役所の中に受け入れてもらい、仕事の体験をさせてもらうという小さな試みが重要だったのである。
委員長
ここで頂いた御意見についてはこれから話合いをしながら進めていくということでよろしいか。
(意見及び異議なし)
事務局において、共に暮らすための新座市障がい者基本条例啓発パンフレットの改訂案についてページごとに概要を説明した。
委員の皆様から、御意見を頂くこととして、議事を進行した。
委員長
事務局から説明があったが、この改訂案が完成版というわけではなく、本委員会や新座市地域自立支援協議会、市内大学の学生の皆様から頂いた意見を踏まえて完成させるものである。
パンフレットのメインターゲットとなる小学校高学年の児童にとって、どのようなものが理解しやすいかという視点で、皆様から御意見を頂きたい。
委員
表紙について、ヘルプマークを持っている人のイラストを入れた方がいいと思う。
3ページで、唐突に手話についての説明が入っているので、この部分は無くてもいいのではないか。
ページの構成について、改訂案の8・9ページの内容は3ページの次の4ページで取り上げた方がいいと思う。3ページで条例について説明した後、まちには様々な人が暮らしていることを取り上げて、それから個々の障がいについて説明する構成とした方が理解しやすいのではないか。
4ページでは見出しがページ下部に配置されているので、見出しはページ上部に配置した方がいいと思う。また、精神障がいの説明が簡潔過ぎると感じた。
9ページについて、バリアフリーの例について紹介しているが、ここではなく別のページで取り上げた方がいいと思う。また、難病についての説明文は表現を改めた方がいいと思う。
10ページについて、就労支援の取組に関する説明の中で「雇用」という表現が使われているが、これは雇用主の立場から見た言葉であり、障がい者に対する支援について説明するのであれば、「雇用の拡大」という表現の方が適切なのではないか。
また、保育・教育に関する取組の説明は、一般的な内容が書かれているだけだと感じたので、説明文で「多様な」という言葉を使ってはいかがか。
11ページの中で、「社会的バリアを取り除くために必要な対応について、事業者と障がいのある人の間で話し合いをしましょう」とあるが、「関係する人みんなで話し合いをしましょう」という表現のほうがいいと思う。
委員
構成に関して、冒頭で地域社会の中にはいろいろな人が暮らしているというところに触れてから、障がいのある人たちを理解するために条例が制定されたことを説明するような構成がいいと思う。続いて障がいとは何だろうかという流れになるのだと思うが、4ページの「心のはたらきがうまくいかない」という表現が気になった。ここでいう「心」とは、身体障がい以外の方のことを指しているのだと思うが、細かく見ると知的障がいと精神障がいは異なるものなので、「心」という言葉で表現していいのだろうか。
同じく、障がいの説明の部分で、「社会活動をするための理解や協力が必要な状態」とあるが、「周囲からの理解や協力が必要」という表現が適切なのではないか。
10ページの保育・教育の取組について、「児童・生徒」という言葉が使われているが、「子どもたち」という表現の方がいいと思う。また、取組の説明文の中に、「共に生活し、学ぶ環境を推進します」とあるが、共に暮らすためには、子どもたちが違いを認め合いながら関係を築いていくことが必要であると感じた。
委員
社会福祉協議会では、小中学校における福祉体験学習の一環として車いす体験を実施しているので、そのときにこのパンフレットを活用できると思う。小中学校ではタブレット端末が活用されているので、パンフレットが完成した際には、紙媒体での配布のほか、データでも提供できるといいと思う。
委員
背景を塗りつぶして白字で記載された文章が見づらいという意見があった。
委員
このパンフレットのように情報が一つにまとまったものがあると分かりやすいと思うし、学校の授業で活用されるのなら自分も授業を受けてみたいと感じた。
委員
新座市障がい者基本計画(第5次)の評価結果報告書では、防災分野の取組について「期待どおりではない」という評価がなされているが、災害はいつ発生するか分からないものなので、パンフレットに避難所の情報等を掲載したほうがいいのではないか。障がい者は自宅の中でも生活のしづらさを抱えていると思うが、災害発生時にはさらに苦しい思いをして避難所の中で生活することとなる。こうしたことを踏まえて、避難所の設備に関する情報を1ページ分でもいいのでパンフレットに掲載した方がいいと思う。
委員
子どもたちは、就学前の段階から障がいのある子たちと関わっていく中で、このパンフレットなどを活用して、改めて学校で学ぶことで障がいについて理解をしていくものなのだと感じた。そうした子どもたちが将来大人になったときに、どのように障がいについて考えてもらえるのか楽しみにしたい。
委員
3ページの、条例についての説明文に「分け隔てられることなく」という文章を追加してほしい。
委員
6ページで、「情報のバリア」についての説明があるが、ここに記載されていることのほかに、知的障がい者にとっての情報のバリアというものもあるのではないか。知的障がい者でも理解しやすい読みやすい書籍はあまりないので、そうした視点からも触れてほしい。
委員
全体的に簡単な言葉が使われていたり、イラストがあって分かりやすいと思った。誰をターゲットとするのかを踏まえて内容を決めるのがいいと思う。せっかくパンフレットを作っても、読んでもらえなければ意味がないので、内容の議論と並行して活用方法についても検討をしてもらいたい。
委員
完成したパンフレットをいろいろな人に見てもらうことが重要だと思う。紙媒体のほかにも、インターネットにデータをアップすれば見てくれる人も増えると思うので、完成後の展開方法も検討してほしい。
委員
読み手がどう感じるのか考えながら作成することが大事だと思う。
学校教育の中では、バリアフリーからユニバーサルという概念にシフトしてきている。パンフレットを学校で使用するときに、子どもたちはユニバーサルの概念について学んできているので、それを踏まえた説明が必要になるのではないか。
また、外国人やLGBTQの問題などを含めた多様性という考え方になってきているので、障がいだけが大変というのではなく、いろいろな個性の中で障がいを理解していこうという前提の話が必要だと思う。障がいだけ特別な対応が必要というのは社会の流れとは逆になるのではないか。
完成したパンフレットを、いつどこで誰が活用するのかというところも併せて検討する必要があると思う。パンフレット作成後、どのように啓発するのかゴールを我々委員に示してもらえると、内容についても議論しやすいものになると感じた。
委員
パンフレット表紙のイラストについて、皆同じような体形・肌の色となっているところが気になった。多様性について伝えることを考えると、社会にはいろいろな肌の色・体形の人がいるということについて、このパンフレットなどを通じて、子どもたちの目に触れる機会を増やしてもいいと思う。
7ページで、障がい者差別に関して市の障がい者福祉課へ相談することができると記載されているが、ここに市の連絡先などが記載してあると、小学生でも自分で電話したりメールを送るなどの行動につながるのではないか。
委員
現行のパンフレットには、条例の条文が記載されていたが、改訂案では記載されていないところが気になった。
委員長
皆様、御意見ありがとう。先ほど述べたが、パンフレットはこれで完成というものではないので、今後も皆様から御意見を頂きたいと思う。
事務局からの報告事項はなく、委員からの質問・意見もなかった。
午後3時34分