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平成23年度第1回野火止用水文化的景観保存計画策定委員会

ページID:0002486 更新日:2012年1月19日更新 印刷ページ表示

会議録

会議の名称

平成23年度第1回野火止用水文化的景観保存計画策定委員会

開催日時

平成24年1月19日(木曜日)
午後 3時00分から
午後 5時00分まで

開催場所

新座市観光プラザ2階 交流ルーム「せせらぎ」

出席者

【委員】

亀山章委員、根岸茂夫委員、村上雅巳委員、福田知明委員、長谷川栄委員、小山晏雄委員、黍塚賢委員
計7名

事務局職員

教育長金子廣志、教育総務部田部井利江部長、教育総務部小杉誠副部長、生涯学習課大熊正課長、斯波治副課長兼学芸員、川端真実主事兼学芸員、川畑隼人主事兼学芸員

会議内容

  1. 開会
  2. 挨拶
  3. 委員の委嘱について
  4. 委員・事務局の紹介
  5. 委員長及び副委員長の選任について
  6. 議題
    (1) 野火止用水文化的景観保存計画の策定について
    ア これまでの経緯
    イ 文化的景観保護制度の概要
    ウ 野火止用水文化的景観保存計画(素案)について
    エ 重要な構成要素について
    (2) 今後のスケジュールについて(第2回以降の会議日程)
    (3) その他
  7. 閉会

会議資料

事前送付資料

  • 資料1:野火止用水文化的景観保存計画策定委員会設置要綱
  • 資料2:野火止用水文化的景観保存計画策定委員会名簿【平成23年度】
  • 資料3:野火止用水文化的景観保存計画策定スケジュール
  • 資料4:平成23年度第1回野火止用水文化的景観保存計画策定委員会参考資料
  • 資料5:野火止用水文化的景観保存計画(素案)
  • 資料6:新座市景観条例・新座市景観条例施行規則
  • 資料7:新座市景観計画

会議資料

当日配布資料

  • 次第
  • 資料8:野火止用水文化的景観保存計画 これまでの経緯と今後のスケジュール
  • 資料9:重要文化的景観に関する規制のイメージ
  • 資料10:重要な構成要素位置図
  • 資料11:重要な構成要素一覧
  • 資料12:野火止用水文化的景観~せせらぎのある風景を未来へ~リーフレット
  • 資料13:野火止用水サミット~緑と清流の活用をめざして~リーフレット

その他の必要事項

【欠席委員】中西裕二委員、松竹寛山委員
【途中退席】村上雅巳委員
【オブザーバー】LAU 公共施設研究所・牧野真大

審議の内容(審議経過、結論等)

1 開会(司会:事務局)

平成18年度に策定委員会を開催して以来の会議となった。平成23年度に実施した庁内検討委員会の成果をふまえて、本日の会議に至っている。委員の皆様から御意見を頂戴しつつ、保存計画を策定していきたい。

2 挨拶(教育長)

新座市は昭和30年代から急速に都市化し、住宅やマンションが建ってきた。その中で、それまでの景観を保存していくことが難しくなり、野火止用水を一部暗渠き ょ化せざるを得ない場所もあった。一方、平林寺周辺では、往時のままの姿の景観が残っている。野火止台地の水不足を解決するために、江戸時代に開削されて以来、水と生活は直結していた。開削にかかった労力をしのび、ふるさとの景色として守られてきた、この新座市の文化遺産を守っていくためにも、この文化的景観保存計画策定委員会で保存計画を策定したい。将来的には、暗渠き ょ化した箇所についても、復活をするような方向も考えている。新たに新座駅から本流までの用水も作ろうとしている。さらに、現在は国道254号で水は途切れてしまっているが、これを越えて、志木駅側までつなげて流したいという気持ちもある。本日は第1回目ということもあるので、よりよい形で野火止用水を残していくために御意見を賜りたい。

3 委員の委嘱について

⇒委嘱状を机上配布して、委嘱に代える。

4 委員・事務局の紹介

⇒資料2の名簿に基づき、委員・事務局の挨拶・自己紹介。

5 委員長及び副委員長の選任について

平成18年度の策定委員会とは別に、改めて委員長・副委員長を任命することにする。委員から立候補や推薦がなかったため、事務局案として、委員長に亀山委員、副委員長に根岸委員を推薦する。出席委員の同意を得て、委員長・副委員長を決定する。
⇒亀山委員長挨拶

野火止用水と平林寺は、新座市にとって大事なもの。新座市に人が住めるようになったのも、野火止用水に負うところが大きい。東京都の玉川上水保存管理計画にも参加していたが、史跡指定する際に、玉川上水関連の用水については扱わなかったが、同時に扱ってもよかったと思う。地域にとって大事なものだと再認識してもらうための良い機会になる。文化的景観には様々な要素があるが、委員の協力を得ながら、保存計画をまとめていきたい。

6 議題(議事進行:亀山委員長)

(1) 野火止用水文化的景観保存計画の策定について(事務局説明)

ア これまでの経緯

⇒事前配布資料を含め、会議資料の確認。
資料8に基づき、重要文化的景観に関する国の法整備と、新座市の活動について説明する。平成24年度に選定申出手続を目指す。

イ 文化的景観保護制度の概要

⇒資料4・6・7に基づき、文化財保護法における文化的景観の定義と、新座市の景観条例・計画を説明する。また、選定後の補助・保護制度についても説明する。景観計画において、「平林寺・野火止用水周辺ゾーン」は他の地域よりも規制がやや厳しいことを述べる。

<質疑応答>

委員長:

「文化的景観」という新しい文化財のカテゴリーについて説明してもらったが、委員の皆様から質問・意見はあるか。

教育長:

重要文化的景観に選定された場合、選定区域内の地権者へはどのような制約がかかるのか。

委員長:

資料4の3ページの下には、「現状変更」や「保存に影響を及ぼす行為」は文化庁長官に届け出る必要があるとあるが、具体的にはどのような内容なのか。

事務局:

制約については、重要な構成要素として農地や雑木林等が候補となっており、これらを開発する際に届出が必要になるが、許認可制ではないため、強い縛りがかかるとは言えない。ただ、農地法や土地計画法といったその他の法律は、重要文化的景観の選定範囲の内外に関わらず、一定の規制がある。資料9に規制のイメージが記載されており、こちらを参照していただきたい。新座市は市内全域が景観計画の対象になっている。この中に重要文化的景観の範囲があり、さらにこの中に「平林寺・野火止用水周辺ゾーン」があり、「重要な構成要素」がある。重要文化的景観に選定されることによって、既存の法律や景観計画以外に、新たに規制が加わることはない。ただし、所有者の同意に基づき重要な構成要素に選ばれたものについては、届出の義務が発生する。同意が得られない場合は、重要な構成要素には含めない。また、重要な構成要素に選ばれた家屋等は、固定資産税の減額措置がある。

委員:

「平林寺・野火止用水ゾーン」の近くに住んでおり、新座市民として野火止用水と雑木林を保存していきたいという気持ちはわかる。だが地権者としては、相続の問題が発生した場合、やむをえず資産を売却して相続税を納めなくてはならない。屋敷林は、堆肥を作って農業を行うために必要なものであるので、農地の一環として捉えてほしいと市長にも働きかけたが、国の法律であるので、簡単には変えられない。ここで、農地や緑を残したいという思いと、売却しなければ相続ができないという板挟みの現実が発生する。届出制や景観計画に基づく行為規制について説明があったが、今後、地権者の同意を得ていく上で、なるべくわかりやすく、曖昧さや誤解のない説明をお願いしたい。

委員長:

資料7の景観計画の7ページに行為の制限について、「平林寺・野火止用水ゾーン」の説明があり、届出対象行為となっている。重要文化的景観の選定に伴って、これより強い規制はかからないという認識でよいのか。

事務局:

そのとおり。すでに景観条例・景観計画が平成22年度に策定されたので、これを上回る規制が保存計画の中で生まれることはない。

委員:

資料9の規制のイメージの中に、新座市内の土地全般に景観計画の規制があるが、具体的には単なる届出なのか。もし許認可制になると、相続ができない人が大勢でてきてしまう。届出制にも色々あるので確認したい。

事務局:

具体的な手続きについては、次の議題の保存計画(素案)の中で説明し、議論していただきたい。

委員長:

資料7の7ページ下には届出制とあるが、8ページには色彩の制限が書かれている。「届出制」とはいえ、届出をすれば何でもやっていいのではなく、ある程度は指導されることになるのではないか。

委員:

相続が発生し、土地の所有者が変わった場合、規制を受けることになるのは土地を買った人になる。

委員長:

例えば、現在の地権者が農地を売り、その土地を買った人が家を建てようとすると、その家に色彩の制限がかかる。その制限は、新座市景観計画において市内全域が対象地域になっているので、特定のエリアの人だけで強い規制を被るとは言えない。「平林寺・野火止用水ゾーン」がやや強い色彩の規制を受けることにはなる。届出制ではあるが、日本全国に法律の網がかかっており、何でも自由にやっていいという土地などはなくっている。

委員:

規制が厳しいと相続ができなくなってしまい、大変なことになる。そのような法律は作らない方がいいのではないか。

委員長:

府中市の景観計画策定に関わっていたが、新座市の景観計画の規制は緩い。府中市では届出制としながらも審議会にかけていた。それに比べると、本当に緩い規制になっている。

委員:

平林寺の周辺に住んでいて、景観を残すために規制は強い方がいいと思う。
だが、相続の問題がからむと、規制は緩い方がいい。雑木林が農地の一環として判断されれば、納税猶予が可能になってくる。そうなれば、雑木林を保存することに寄与できるが、国税の変更は難しく、市として市民の私的財産の保護をすることはできないだろう。景観を保存していくには、最低限、届出制が必要なのだろうと思う。

委員長:

長い目で見た場合には、景観の規制があった方が、地域全体の印象が良くなり、資産価値が高まることが見込める。

委員:

それは理解できるが、相続時に、他の市民や市が相続税を代わりに払ってくれるわけではない。このようなジレンマがあることも知っておいてほしい。

教育長:

景観を保存して後世に残したいという意思と税制の問題が相反しており、土地を相続する時にはまず、農地以外の所を売却して相続税を支払わなくてはならず、雑木林がなくなっていくことになる。

委員:

緑を残していくために、生産緑地のような制度を山林にも適用してほしい。
税金が高いままでは、農地を残して山林を売ることになる。

教育長:

江戸時代以来の雑木林の機能である、薪の生産や堆肥作りというライフサイクルが失われつつある。たとえ雑木林が美しい景観であっても、税制上は宅地並み課税がされてしまう。使い道のなくなってしまった雑木林を手放していくのは当然の流れだろう。

委員:

土地を持っている人にとっては、避けて通れない問題である。

委員:

東京都は昭和25年から雑木林が宅地並み課税で、東久留米のあたりでは自分で管理している人は尐なくなった。ほとんどが都に貸してあって、都の管理になっている。都に貸していて、相続の際に売れなくなると、今度は畑を売ってしまうことになる。

委員:

今の議論についてだが、この委員会で税制の問題に結論を出すことはできない。ただ、景観を保存する上では重要な議論であるので、このような問題があることを報告書にまとめ、市長や議員などに提案することにしてはどうか。

委員:

この場に出席している地元の委員は、景観の保存に対しておおむね賛同していると思っていただければと思う。ただ、地権者の一人として考えると、保存計画が公表され、同意を得ていく段階になったときは、地権者に対して丁寧で誤解のない説明をしていただく必要があると思う。

委員長:

地元の地権者の思いを理解の上で、事務局は手続を進めてほしい。

ウ 野火止用水文化的景観保存計画(素案)について

⇒資料5に基づき、保存計画(素案)を説明する。特に、重要文化的景観の選定申出範囲と、「平林寺・野火止用水ゾーン」の範囲の線引きが異なる点について説明する。

<質疑応答>

委員:

新堀の辺りの野火止用水南側は東京都に接しているが、東京都側までは範囲に入らないのか。

事務局:

現時点では、新座市内の行政範囲内のみである。そのため、今回の計画には示していない。

委員:

新座市内だけというのはもったいない。それから、八軒廻し堀の位置が多尐違うのではないか。

事務局:

位置については、詳細に確認する。

委員長:

「平林寺・野火止用水ゾーン」と重要文化的景観選定申出区域が一致していないのはなぜか。

事務局:

野火止用水だけでなく、農地や雑木林も一体として保存していくために、「平林寺・野火止用水ゾーン」よりも広い範囲を選定申出区域に含めている。
広がった範囲には保存すべき重要な構成要素がある。その区域ついては、景観計画による規制は強くなっていないのだが、あくまで文化的景観が広がっている範囲として線引きを行っている。

委員長:

景観計画での「平林寺・野火止用水ゾーン」よりも外の範囲が文化的景観の範囲になっているが、その点については、庁内での調整はついているのか。
この範囲に暮らす住民にとっては理解しにくい点である。

事務局:

規制は緩いにも関わらず、選定申出区域に含めるというのは、庁内検討委員会でも委員の理解を得られにくい点だった。現状の景観計画のままでは、規制が緩いままというのは御指摘のとおりである。

委員長:

考え方として、農地や雑木林も一体だというのは理解できる。ただ、行政の運用上、住民の理解を得るのが難しい点だと思い確認させていただいた。

副委員長:

資料5の11、12ページの図を見ると、野火止用水が何のために作られたのかという根本的な部分をもう少し考えた上で、範囲を決めてほしい。
野火止用水ができる前に、まず野火止地域で新田開発が行われ、玉川上水ができた後に野火止用水がひかれた。野火止地域は、南東側の「下」から開発されたので、陣屋堀がもっとも古い堀だと考えられる。野火止のために用水が作られ、その時はまだ平林寺はなく、陣屋が開発の拠点となっていた。「本流」という名称はいつから付いたものなのかもわからない。その後、菅沢堀と平林寺堀ができた。つまり、川越街道沿いの野火止地域の人たちのために野火止用水が作られ、その後に菅沢・北野・西堀に村が作られた。そこで畑ができ、雑木林ができていって、野火止用水周辺の景観が形成されていった。それが戦後の都市化の中で失われていったというのが、歴史的な流れだと思う。松平信綱という領主と農民が一体となって開発され、関東の台地の新田開発の中でも理想型と言える。やはり、新田開発でできた村の景観を意識して、ゾーンを作ってほしい。国道254号の北側でも農地や雑木林が残されているので、こちらも選定申出区域に含めてはどうか。その方が、景観の歴史的な説明ができる。

委員長:

選定申出区域や重要な構成要素を議論する上では、保存計画(素案)だけでなく、その前段となる資料が必要になる。事務局は次回までに資料を準備してほしい。

事務局:

了解した。

委員長:

今日これで範囲を決定するわけではないので、委員の皆様は概略的に理解してほしい。

エ 重要な構成要素について

⇒資料4、10、11に基づき、重要な構成要素の定義と事務局案について説明する。

<質疑応答>

委員長:

委員の皆様に、重要な構成要素を選ぶ理由を理解していただくためにも、次回の会議の 1 週間前くらいまでに資料を送付し、事前に読んでもらった上で議論したい。

事務局:

了解した。

(2) 今後のスケジュールについて(第2回以降の会議日程)(事務局説明)

⇒資料3に基づいて説明する。
各委員の日程を調整した結果、第2回は2月6日(月曜日)、第3回は21日(火曜日)、第4回は3月12日(月曜日)とした。会場は後日決定。

(3) その他(事務局説明)

⇒配布資料の中に質問票を入れているので、御不明な点や御意見があれば、事務局まで知らせてほしい。

7 閉会(根岸副委員長)

重要な議案を審議してくださり、委員の皆様に感謝する。これから新座市の目玉として重要文化的景観の選定を目指していくが、あくまで野火止用水は文化的景観の象徴であって、地域の景観があるからこそ野火止用水が活きてくる。地域を文化的景観として捉えることによって、市の文化や文化財の発展に寄与できると思う。


野火止用水文化的景観保存計画策定委員会