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平林寺境内林は、本市唯一の国指定文化財として昭和43年5月28日に天然記念物に指定されました(昭和51年5月12日に睡足軒の森が追加指定)。今も首都近郊随一の規模で存在し、かつての武蔵野の雑木林の面影を残しています。しかしながら、指定から約50年が経過した現在、境内林は指定当時から景観の変化、林床植生の貧化が起こっています。
そこで、かつての武蔵野の雑木林の景観を取り戻し、この貴重な財産を次世代へ確実に継承するため、今年度から雑木林の再生を進めています。落葉広葉樹林全体の伐採を平成26年度から15年間で一巡させることを目標とし、全体を大きく3期に分け、1期5年の予定です。樹木の伐採などにより一時的な景観の変化も生じますが、文化財保護のため、皆様のご理解とご協力をお願いします。
詳しくは、平林寺境内林再生事業リーフレットをご覧ください。
平林寺境内林北側・こもれび通り沿いの一画(約1.4ヘクタール)
伐採による萌芽更新と傘伐(※)による天然下種更新を図り、苗木の補植を組み合わせた手法によって、再生を図っています。また、過年度に伐採した区域の下刈りや、管理用道路の開設を行いました。
※傘伐(さんばつ)とは
伐採期に達した林を、親木(母樹)を残して周辺を伐採すること。伐採後は、母樹から落下した種子が親木の傘の周囲で稚樹として成長するところから、’傘伐’という。母樹は稚樹が生長した後、伐採し新しい林を生成する。
伐採予定区域について、クマザサの下刈りと灌木の除伐を行った後、1月中旬から伐採を開始しました。
伐採開始前(平成27年4月10日撮影)
伐採開始前(平成27年4月10日撮影)
伐採後(平成28年4月20日撮影)
伐採後(平成28年4月20日撮影)
伐採後(平成28年4月20日撮影)
平成26年度には、業平塚北側一帯(約1.6ヘクタール)を伐採しましたが、切株から萌芽している様子が確認されました。なお、伐採後には様々な植物が芽吹いておりますが、植生保護のため、伐採の経過を観察される際には、区画には立ち入らず、散策道などから見学するよう、ご協力をお願いいたします。
(平成27年5月25日撮影)
(平成27年5月25日撮影)
(平成27年5月25日撮影)
※境内の林齢が進んでいることから、萌芽率を向上させるために地表から高い位置(地際から50センチメートル程度)で伐採しています。
作業場所には看板を設置し、細心の注意を払って作業を行います。作業場所・内容により、騒音や振動が発生する可能性もありご迷惑をお掛けしますが、ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。