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1歳未満の乳児にはちみつを与えないで~乳児ボツリヌス症に注意~
1歳未満の乳児にはちみつを与えないでください。
都内在住の5か月の乳児がボツリヌス菌に感染し、死亡した事例が報道されました。感染原因はボツリヌス菌が含まれたはちみつを食べたことによるものです。乳児ボツリヌス症の予防のため、1歳未満の乳児にはちみつを与えることは避けてください。
なお、1歳以上の方がはちみつを摂取しても、乳児ボツリヌス症が発症することはありません。
乳児ボツリヌス症とは
1歳未満の乳児に特有の疾病で、乳児の腸内細菌叢が未熟なために起こります。経口的に摂取されたボツリヌス菌の芽胞(※)が腸管内で発芽・増殖し、その際に産生される毒素により発症します。
※芽胞とは
ボツリヌス菌などの特定の菌は、増殖に適さない環境下において、芽胞を形成します。芽胞は、加熱や乾燥に対し、高い抵抗性を持ちます。
芽胞を死滅させるには、120℃4分以上またはこれと同等の加熱殺菌が必要です。100℃程度では、長時間加熱しても殺菌できません。
ボツリヌス菌の特徴
ボツリヌス食中毒等のボツリヌス症の原因菌。土壌、海、川の泥砂中、動物の腸管など自然界に広く生息し、酸素の少ないところで増殖し、熱にきわめて強い芽胞と毒性の強い神経毒を産生します。ボツリヌス菌は3℃未満では増殖及び毒素を産生することができません。
乳児ボツリヌス症の症状
出生後順調に発育していた乳児が便秘傾向を示し、数日続き、全身の筋力が低下する脱力状態になり、ほ乳力が低下し、泣き声が小さくなります。また、瞳孔が開く等が認められます。
予防するには
1歳未満の乳児にはボツリヌス菌芽胞に汚染される可能性がある食品(ハチミツ、ハチミツ入りの飲料・お菓子等)を与えないでください。また、土壌などにボツリヌス菌が分布していることから、食材は十分洗浄をして与えましょう。食材及び食品は冷蔵または冷凍下での保存などを行ってください。 調理器具は衛生的に取り扱いましょう。
関連リンク(外部リンク)
※乳児ボツリヌス症及びボツリヌス菌に関する詳細な情報は下記をご覧ください。
厚生労働省ホームページ(重要なお知らせ:ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161461.html
国立感染症研究所(ボツリヌス症及び乳児ボツリヌス症について)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/7275-botulinum-intro.html
食品安全委員会・ファクトシート(ボツリヌス症について)
https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/20210330botulism.pdf
東京都福祉保健局ホームページ(ボツリヌス菌について)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/boturinu.html