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胃がんの予防とピロリ菌について
胃がん
発生要因
胃がんの発生要因には、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染と喫煙があります。その他に、食塩・高塩分食品の摂取が、胃がんが発生する危険性を高めることが報告されています。
予防
日本人を対象とした研究結果では、がん全般の予防には禁煙すること、飲酒をひかえること、バランスの良い食事をとること、活発に身体を動かすこと、適正な体形を維持すること、感染を予防することが有効であることが分かっています。
胃がんの場合は、禁煙すること、塩分や高塩分食品の取りすぎに注意すること、ヘリコバクター・ピロリの除菌が有効であることが分かっています。
(「国立がん研究センターがん情報サービス(「胃がん 予防・検診」)から引用)
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)
ピロリ菌とは、正式にはヘリコバクター・ピロリという胃の粘膜に感染する細菌です。
不衛生な環境や家庭内などが感染経路と考えられています。
上下水道の整備などで衛生環境が整い、若年層のピロリ菌感染者は減少していますが、ピロリ菌の持続感染により次の病気を引き起こします。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 胃MALTリンパ腫
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 胃がん
- 胃炎 など
除菌治療
除菌治療は、一次除菌として薬を1週間服用します。そこで除菌できなかった場合は、二次除菌として薬を再度服用します。
除菌治療には、薬の副作用が起こる可能性があります。また、除菌治療後に胃酸の分泌が増え、逆流性食道炎になる可能性があります。デメリットとメリットを確認し、主治医(専門医)と相談したうえで、除菌治療を行ってください。
ピロリ菌の除菌は胃がんなどのリスクを低減させますが、ゼロになることはありません。
除菌後も定期的に胃内視鏡検査を受診してください。
市のがん検診については、「がん検診について」を御確認ください。
保険診療
次の1~5のうちピロリ菌の感染が疑われる患者については、ピロリ菌の感染の有無の検査及び感染していた場合の除菌治療は保険診療となります。
- 内視鏡検査又は造影検査において胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者
- 胃MALTリンパ腫の患者
- 特発性血小板減少性紫斑病の患者
- 早期胃癌に対する内視鏡的治療後の患者
- 内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者