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令和3年7月20日(火曜日)
※書面開催のため、委員への開催通知日とする。
任 姫淑、小林 友美、甲田 由夏、山野辺 範一、西牧 善信、長谷川 好子、鈴木 芳宗、竹内 勘次、中村 敏也、坂本 純子、鈴木 康弘、原田 晃樹、松嵜 くみ子、若林 利明、飯野 玲明、田畑 真美、久米 裕子 全17名
こども未来部長 一ノ関 知子
こども未来部副部長兼保育課長 榎本 哲典
こども支援課長 伊藤 好治
こども支援課副課長兼こども家庭相談係長 横倉 一昭
こども支援課こども政策係長 永尾 章子
こども支援課主事 須田 哲司
放課後児童保育室保育料算定方法の見直しについて
・資料1(放課後児童保育室保育料算定方法の見直し) (別ウィンドウ・PDFファイル・414KB)
・資料2(放課後児童保育室整備実績) (別ウィンドウ・PDFファイル・157KB)
・資料3(保育料想定表) (別ウィンドウ・PDFファイル・157KB)
・資料4(階層別比較表) (別ウィンドウ・PDFファイル・120KB)
本来であれば各委員に参集いただき、会議を開催するところだが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から書面会議にて、以下の審議を目的として行うこととした。
・放課後児童保育室保育料算定方法の見直しについて
資料1~4について、各委員から意見や質問等を聴取し、以下のとおり回答した(→は事務局の回答)。
⑴ 利用者の事務手続の軽減、費用負担の適正化を図ることや、市の財政状況、事務量の増加を抑えるためにも、保育室保育料算定方法は保育園と同様、所得税基準から市町村民税額への変更を進めていく考えに賛成します。
⑵ 市の収入が増加し、低所得層にも配慮があり、良いと思い同意します。
⑶ 提案内容は、理に適っているものと考えます。ただし、いくつか確認があります。
ア 今までは、市民税情報から所得税額を算出し階層を決定していますが、市民税額での階層決定で階層が変わることはありますか。
→ 現行の階層ごとの想定年収を算出した後、同様の世帯が支払う市町村民税を算出したため、算定基準を変えることで階層が変わることは原則としてない想定です。ただし、階層数が既存の11階層から6階層に減少するため、統合による階層の変更は生じる見込みです。
イ 階層D4、D3の負担額が他の階層に比べて大きくないでしょうか(特にD4)。
→ 階層数を減らす中で、低所得層の影響を最小限に抑えつつ、保護者負担率の適正化を図るため、他の階層と比較して影響の大きい階層が生じておりますが、国の示す保護者負担率の考え方や近隣他市の状況も検討しながら検討したものですので、御理解のほどよろしくお願いします。
ウ 市民税額での算定、階層減で事務効率が上がりますが、今回の見直しによる効果額に反映されているでしょうか。
→ 保護者負担額の増加見込分のみを効果額としております。
⑷ 延長保育のメリットとして、「午後7時まで保育室を利用することができる」ことが挙げられていますが、子どもの成長(親子関係の構築を含む。)といった視点で捉えた場合、「午後7時まで子どもを預けることができる」ことが本当に子どもとその保護者にとってメリットなのか疑問を抱きました。
預かり時間が午後7時までとなれば、その後の家庭での生活(入浴、夕食、睡眠等)を考えた場合、子どもの就寝時刻がそのまま1時間後退することが懸念されます。また、就寝へ向けての余裕を持って過ごす時間(何気ない会話など)も減少するのではと心配になります。
「常に午後7時まで預かることになるわけではない」といった意見もあるでしょうが、午後7時までが定時となれば、それに甘えてしまうのが人間(大人)ではないでしょうか。「あと1時間あれば、この仕事ができる。」、「午後7時までなので、この買い物を済ませてしまおう。」、「午後7時までなので、あと30分会議を伸ばすことができる。」等、様々な理由により午後7時まで保育室で過ごす子どもが増えるといった事態を招くことが予想されます。(仕事を優先したいわけではないが、できるなら…。)
そして、特に子どもの発育・発達への理解や関心が薄い(本来であれば、子どもとのコミュニケーションをもっと大切にしてほしい。)家庭にそのような傾向(午後7時まで預かってもらえるならそうしよう。)が強く表れるのではないかと考えるのは心配し過ぎでしょうか。
新座市として、子どもの育ち(子どもの生活リズム、家庭での親子のコミュニケーション)等を含めて熟慮した結果、午後7時まで子どもを預かるというメッセージをあえて発信するのであれば、一つのやり方かもしれません(社会で子どもを育てる。)。
しかしながら、財政的な課題及び事務手続の煩雑さを解決するための一方策として「午後7時までの利用を基本とする」ことには賛成しかねます。なぜなら、最終的にその代償を負わされるのは立場の弱い子ども(保護者との時間を必要としているが意見を述べることができない。)だと思われるからです。
今回の提案に対する私の意見は、「市町村民税額への算定方法の変更は賛成(利用者負担増も変更なし)」、「保育基準時間は午後6時に留める」、「延長保育料集金システム再考(変更)、利用者利便性の観点から口座振込やラインペイなどのキャッシュレス決済の導入を検討」というものです。特に最後の課題(支払方法の多様化)は、社会の趨勢であり、市に本気で取り組む姿勢があれば、それほど難しいものではないのではないでしょうか。
ア 保育基準時間は午後6時に留めることについて
→ 現在の延長保育事業は、利用する月の前月10日までに申請をしなければならず、急な事由などで1日だけ使用したいといった際に対応することができません。
また、こうしたことを想定して延長保育を申請している家庭の中には、一か月全く利用せず、延長保育料のみを支払っている世帯もいる状況です。今回、利用者の利便性の向上として市が考えることは、こうした利用者が必要な際に容易に利用できる仕組みを構築することです。
一方で、御指摘のとおり、通常の保育時間を午後7時までとすると、それに甘えてしまう方が現れることも想定され、無秩序な利用時間の増加による子どもの生活面への影響が懸念されます。
そこで、今回の変更と合わせて、保育園と同様に、子どもと過ごす時間を大切にしてほしい旨の周知を行うとともに、保護者の勤務時間を各放課後児童保育室へ提供することで、勤務時間とお迎え時間に乖離のある保護者に対しては、支援員が早期のお迎えをお願いしやすい環境を整備する予定です。
なお、保護者の勤務時間を放課後児童保育室に提供するに当たり、事前に保護者から同意を得る予定です。
イ 延長保育料集金システム再考(変更)、利用者利便性の観点から口座振込やラインペイなどのキャッシュレス決済の導入を検討
→ 新たに導入する保育業務システムは、延長保育料の管理をパッケージ機能として有しているため、帳票などの調整は必要となりますが、保育業務システム上での管理は可能です。キャッシュレス決済につきましても、通常の保育料等は令和3年10月から導入予定ですので、対応は可能ですが、前述のとおり、延長保育制度自体の廃止を検討しておりますので、御理解賜りたいと存じます。
⑸ 保育料の見直しは、市財政難からやむを得ない措置と受け止めますが、事務の負担を表現する記述があります。子育て支援に関する事務作業について、他市では数年前からすでにAIの導入が始まっています。行政のDx(デジタルトランフォーメーション)を子育て支援業務にも取り入れて、行政事務の効率化の遅れを取り戻していただきたいと願います。
→ 情報システムの標準化や行政手続のオンライン化など、国の指針に基づき、適宜検討してまいります。
⑹ 延長保育が廃止されることについて
独自のアンケートによると、現在延長保育を利用していない家庭は(申請不要、追加料金なしでも)利用しない、分からないとの回答が多いです。子どもの生活(食事、睡眠、次の日の準備など)を考えると、延長を利用していない家庭には利便性の向上には繋がらないのではないでしょうか。延長料金の集金業務(現在は保育室で支援員が集金している)が無くなることは望ましいと思います。
→ 現在の延長保育事業は、利用する月の前月10日までに申請をしなければならず、急な事由などで1日だけ使用したいといった際に対応することができません。
また、こうしたことを想定して延長保育を申請している家庭の中には、一か月全く利用せず、延長保育料のみを支払っている世帯もいる状況です。今回、利用者の利便性の向上として市が考えることは、こうした利用者が必要な際に容易に利用できる仕組みを構築することです。
一方で、無秩序な利用時間の増加は子どもの生活面への影響から望ましくなく、保護者の皆様もこうした点を踏まえ、必要以上に利用時間を延長されるような状況は生じないことも考えられますが、今回の見直しの趣旨について御理解賜りたいと存じます。
⑺ 階層が11から6に変更することについて
階層を少なくする考えは理解できますが、D4階層(最も対象者が多い階層)の変更額(増額)が4,000円は増額率が大きいと思います。
→ 階層数を減らす中で、低所得層の影響を最小限に抑えつつ、保護者負担率の適正化を図るため、他の階層と比較して影響の大きい階層が生じておりますが、国の示す保護者負担率の考え方や近隣他市の状況も検討しながら検討したものですので、御理解賜りたいと存じます。
⑻ 保育室保育料の算定基準が所得税から住民税に変更されることについて
住民税による算定は理解できますが、新しい階層について試算すると、 階層が変更になることにより増額するケースがあります。
例えば、収入額から社会保険料のみ控除して算出した所得税と住民税を新旧の保育料に当てはめて試算したところ、年収370~400万円の場合、保育料は7,000円から12,000円になります。今回資料として提出された階層別比較表では、D2、D3階層が新E階層に相当するようにも見受けられますが、所得税と住民税の階層にズレが生じているため、そのズレによる大きな保育料の増額になるケースを見直してほしいです。
→ 想定された税額算定の前提が不明なため明言はできませんが、基準表の作成に当たっては、モデル世帯を設定し、現行の階層ごとの想定年収を算出した後、同様の世帯が支払う市町村民税を算出したため、所得税から市町村民税に基準を変更することでの階層のズレは、おおむね生じない想定となっております。
⑼ 第2子以降の保育室保育料が2割引きから半額になることについて
第2子以降の利用者は13%で、基準の保育料が値上げになれば家庭の負担額は増えます。
(例)D4 第1子 8,000円→12,000円 第2子 6,400円→ 6,000円 計 14,400円→18,000円
→ 保護者負担率の適正化を図るため、家庭の負担額は増加する想定です。そうした中において、多子世帯の影響が過大となることを抑えるため、第2子以降の減免率を引き上げるものです。
⑽ 新型コロナウイルス感染症の影響で、仕事が不安な業種もあり、なぜこの時期なのでしょうか。利用者への説明が必要です。
保育料の値上げ部分が市の負担を減らす事だけでなく、減らされたおやつ代や教材費を元に戻す事や、職員の待遇改善に使われるのなら少し納得がいきます。示された資料に数値の間違えがあったため、それを修正して周知するには時間が足りません。
D4階層の増額率が高いので、そこを見直してほしいです。
午後7時までが通常保育になることで、さらに支援員の成り手が減るのではないでしょうか。
現在、延長時間や土曜日保育は支援単位数を減らして支援員を配置しているようですが、延長保育廃止となると通常保育の支援単位で保育することとなり、支援員は更に不足するのではないでしょうか。
→ 保育料につきましては、資料にもあるとおり、所得税基準から市町村民税基準に変更することで、利用者の利便性を向上することができるものですが、システムの改修に多額の費用を要するため、対応を保留しておりました。
今回、保育業務システムの入替えに当たり、当初から市町村民税基準による設定を行う場合、改修費用が不要となるため、検討を進めたものです。
利用者への説明につきましては、令和3年10月から半年間周知を行い、令和4年4月から適用する予定です。
また、これまで放課後児童保育室の施設の整備、人員の拡充を進め、歳出額が急増している一方で、保育料につきましては、運用を開始した平成8年から、値上げをしておらず、保護者負担率は国が示す50%から大きく乖離した25%前後となっております。
こうした中、保育料の算定基準を変更する機会に保育料の階層内容についても見直しを行うものですので、支援員の処遇改善や教材費などを増額するものではありません。
なお、階層による増額率の差異は前述のとおりです。
支援員の働き方につきましては、延長保育制度の廃止後も、時間帯による利用児童数を基に指定管理者と調整し、状況に応じて午後6時以降の支援単位の減少は可能となります。前述のとおり無秩序な利用増とならないような働き掛けを行う予定ですので、支援員の働き方には極力影響を与えないように進めてまいります。
⑾ 準備・周知にもう少し時間を頂き、令和4年からの変更を延期してほしいです。
→ 利用者の利便性の向上につながるため早期に実施したいこと、保育業務システム入替えの機会と合わせることでコストの低減が図れること、保護者負担率が国の示す基準から大きく乖離していることなどから、令和4年度からの実施に向けて進めてまいりますので、御理解賜りたいと存じます。
⑿ その他の御意見・御質問等
ア 訪問支援との連携について
現在の保育園への訪問支援事業に疑問です。気になる児童への訪問を、親が承諾した児童へ訪問員が見に来ますが、その後のフローが全て園任せです。保護者へ伝えることも、どのように支援をしていくかも含め、この情報を新座市としてどのように生かしていくかの視点が皆無です。アシタエールが主になり、療育的支援をすべきではないでしょうか。
生きた情報を学齢期への支援に繋げなくてはいけないのですが、全て分断されています。
弊社は保育所等訪問支援事業で、新座市の民間保育園へ行くこともありますが、療育支援がわかる法人保育園はほとんどないのが現状です。啓蒙も足りないです。
イ 特別支援が必要な子が多くなり、アシタエールの働き方が重要になると思われます。支援が必要な子の育成等、市としての対応はどうされますか。
→ ア及びイは、以下のとおり取りまとめて回答します。
本市では、発達に課題がある子どもやその保護者への支援として、児童発達支援センターにおける通所療育、保育所等訪問支援事業等を始め、複数の部署で様々な事業を行っております。
児童発達支援センターがこうした事業の連携の要となることが重要であることは認識しておりますので、頂いた御意見は今後の参考とさせていただきます。
ウ 加配児童への支援
加配児童への特別な支援金や、支援体制の進展はどうなっていますか。
朝霞市、志木市にはそれぞれ市独自の加配児童への手当や、児童の育成を全ての保育園で考えていく会議があります。どの保育園でも、加配児童を受け入れ、分断を生まない制度にしてほしいです。よって、a 加配児童への保育園全体での育成協議会の新規設置、b 合理的配慮を行うための人件費への新規手当を希望します。
→ 障がい児保育事業補助金につきましては、埼玉県の安心・元気保育サービス支援事業に基づき実施しております。補助単価につきましては、県補助単価40,000円のところ、市で34,140円の上乗せ補助をしております。
更なる補助につきましては、現下の厳しい財政状況において、直ちに実施することは困難な状況でありますが、引き続き市の財政状況を検討しながら検討してまいります。
また、御要望いただいた加配児童への保育園全体での育成協議会の新規設置につきましては、既に制度化している自治体の状況も確認しながら、制度の運用につきまして検討してまいります。
エ 医療的ケア児への保育
国・県では、盛んに医療的ケア児への支援というのが聞こえてきますが、新座市では具体的にどのようになっていますか。県にはメニューがありますが、新座市では手を挙げていますか。
→ 医療的ケア児への保育の実施については、子どもの病状が急変した場合の対応等、子どもを安全に保育するために、様々な場面を考慮し、専門的な知識を有した保育士や看護師が対応する必要があり、慎重な判断が必要となります。このような理由から、本市では実施に至っておりませんが、引き続き実施に向けた検討を進めてまいります。
公開(書面会議のため傍聴者はなし)
なし