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第74回教育懇談会の概要

ページID:0073828 更新日:2019年2月19日更新 印刷ページ表示

日時

平成30年7月19日(木曜日) 午後1時30分から午後3時まで

会場

畑中公民館 講義室

参加者

16名

懇談会座長

金子教育長

出席委員

金子教育長、鈴木教育長職務代理者、小泉委員、脇田委員、宮瀧委員

司会進行

安光教育総務課主事

担当部課長

渡辺教育総務部長、金子教育総務部副部長兼生涯学習スポーツ課長、鳥之海教育総務課長、新井中央公民館長、上原中央図書館長

梅田学校教育部長、杉原学校教育部副部長兼学務課長、大井教育支援課長、浜田教育相談センター室長

事務局

森山教育総務課副課長兼管理係長、戸川教育総務課総務係長

1 教育委員会教育長あいさつ

 本日は、大変暑い中、御参会いただき感謝する。教育懇談会は皆様からの意見、要望、提言を教育行政に反映する場として年3回開催している。中学校区2校を単位として、学期ごとに実施しており、今回は畑中公民館を会場に、新座中学校区、第三中学校区を中心にしている。
 教育をめぐる問題は様々あり、先日熱中症で小学1年生の児童が亡くなるという痛ましいことが愛知県で起こった。本市においても3月に、中学1年生の生徒の尊い命が失われた。命の大切さ、命を尊重する教育をしっかりと進めていきたい。学校での安全を確保するために、7月13日に部活動のあり方について埼玉県からガイドラインが出された。学校を通じて各家庭にリーフレットを配布する予定になっている。子どもたちが持ち帰るので見ていただきたい。部活動の活動範囲が具体的に載っている。これは埼玉県の方針だが、新座市としてもこれから方針を立てて、お示ししていく。
 今年は想像を絶する暑さが続いている。暑さ対策として、市内の学校では平成23、24年度に全教室にエアコンを設置した。今年度は内部清掃の予算をとって、業者による洗浄を行っている。
 限られた時間ではあるが、忌憚のない意見、要望、提言を出していただきたい。

2 新座市の教育についての説明(教育長)

 これから簡単に新座市の教育行政について説明申し上げる。教育委員会として、大事にしている二つの大きな柱がある。一つ目の柱は、教育環境を整えていくことである。もう一つの柱は、子どもたちの良さや可能性を伸ばしていくことである。
 一つ目の教育環境の整備については、年度の予算を組みながら順次進めている。昨年度、石神小学校の大規模改修工事を行った。一つの小学校でこういった工事をするのに約6億円かかる。中学校は大きいので、より高額になる。一度にできないので、少しずつ進めていく。また、教室が足りなくなる恐れがある小・中学校に関しては、先読みして増築工事をしている。大和田小学校に関しては、昨年度増築工事をし、教室を増やした。
 校舎が建てられてから年月が経っているので、天井や壁が傷んできている。防水工事や壁の塗り替えを行い、子どもたちが快適な環境の中で学習できるように進めている。
 また、給食室は自校方式になっており「新座の給食はおいしい」という評判を頂いている。地産地消を進めながら、自校方式の良さを活かして子どもたちにおいしい給食を提供していきたい。そのために計画的に給食室を増築し、新しい機械を増やしている。今年の夏休みは池田小学校の給食室を増築する予定になっている。
 学校でも様々なシステムを導入しているところで、ICカードを使った出退勤管理によって働き方改革を進めている。市内の教職員でも遅くまで残っている者がいる。残された記録から、統計を取りながら是正を図っていく。また、先日文書でお示ししたが、学校の電話に留守番電話の機能を取り入れた。これも働き方改革の一環で、一定の時刻になったらメッセージが流れるようになっている。御理解いただけたらと思う。
 教育委員会では、子どもたちの学力向上や健全な育成のために、学校教育以外でも色んな形で事業を展開している。その一つに、ぱわーあっぷくらぶがある。これは、隔週の土曜日に地域の講師から様々なことを学ぶ事業で、現在は約800名が参加している。埼玉県でも稀有な事業で、学校が週5日制になった際に開始したが、長く続いている市町村はあまり多くない。新座市はこの事業で、文部科学大臣賞を頂いている。そのほか、図書館でも学校と連携して事業を行っているし、公民館でも子ども向けの講座を開講している。
 学校でも、学力向上のために手を尽くしている。県の学力学習状況調査が毎年4月に行われているが、それらを分析し、全ての教職員で共有し、指導につなげている。また、市内の大学との連携を深め、大学が持っている知的要素を小・中学校の教育に取り入れている。
 教育委員会としては皆様の声をしっかり聞きながら、教育行政を進めたいと思っている。忌憚のない意見を出していただきたい。

3 懇談会の概要

市民

 教科書を学校に置いて帰ることが禁止されていることについて、盗難防止や、体を鍛えるためという理由を聞いたことがあるが、真実を教えてほしい。また、できれば許可してほしい。

教育支援課長

 教科書をどう扱うかは基本的に学校ごとのルールである。色々な理由が考えられるが、体を鍛えるためではない。小・中学校では、学力向上のための取組として、家庭学習を推奨している。そのため、教科書を持ち帰るよう指導することがある。また、学校のロッカーには扉や鍵がないので、持ち物の管理という面からもそういった指導が必要であることも考えられる。
 今後、教育委員会では皆様からの意見を踏まえ、学校との協議を進めていく。

教育長

 各学校の状況がどうであるのか、まだ聴取をしたことがないため、実情を把握できていない。教科書をどう扱っているのか、また書道や美術の道具はどうしているのか、学校ごとに様々であると思う。今後、校長会で取り上げ、検討していく。

市民

  (1) 通学鞄の重さが約10kgあり、身体への影響が懸念される。軽量化できないか。

  (2)学校での熱中症対策について、具体的な基準を教えてほしい。また、学校開放団体にも熱中症についての注意喚起をしたほうがよいのではないか。

  (3)通学鞄と靴の自由化を検討してほしい。

  (4)部活動について、競技思考も大切だが、気軽に楽しめるものとして休養日を設定したほうがよいのではないか。ガイドラインを設けるということだが、それを徹底していくのか、または自主的な判断でやらせるのか、方針を教えてほしい。

 (5)小学校から中学校に進学する際に、進学先が複数の中学校に分かれてしまう小学校があるが、中1ギャップを軽減させるためにもクラス分けなどで配慮してほしい。

教育支援課長

 荷物の軽量化についてだが、これまでは学校裁量でやってきた。色々な見方、考え方があるので学校側の意見も聞きながら教育委員会でも方向性を探っていきたい。

教育長

 諸外国ではデジタル化が進んでおり、USBで教材を持ち歩いているところもある。宿題などもメールで提出しているようだ。日本では、パソコンやタブレット端末が整備されるまでに、もう少し時間がかかりそうである。児童・生徒が重い荷物を背負って登下校をしているということは問題だと考える。先ほども申し上げたが、荷物の軽量化について校長会で取り上げる。
 学校の指定品については、教育委員会としては極力少なくしていく方向で校長会で話をしている。今までは何でも学校指定品を用意して、細かいところまで規制をしてきた。これは、十数年前に生徒指導の観点から始まったものであり、緩和されていくべきものである。
 部活動について、文部科学省やスポーツ庁が定めたガイドラインが学校に文書として伝わってはいるが、それぞれの部活の担当者の意識までは確認していない。大会前などは良い成績を求めて過度なスケジュールを組んでしまうことがあったと思う。現在、保護者に配布するための指針を教育委員会で作成している。これは、保護者の皆さんに方針をお約束するもので、例えば平日の活動時間は2時間程度、休日の活動時間は3時間程度など、活動について具体的に示したものである。これからは教育委員会としても、この指針を基にチェックを行っていく。
 中1ギャップについて、教育委員会から方針を示すことは難しい。各小・中学校で協議をしてもらう必要がある。前例からいえば、分散するようにクラス分けを行っている。それによって具体的な弊害が出ているとすれば改善しなくてはならない。教育委員会と学校で話し合いをしていく。

学校教育部長

 熱中症対策の基準について、教育委員会としては梅雨の時期から熱中症の予防に関して各学校に通知を配布している。5月には半数の学校で運動会が開催されるため、早い時期に対策を周知した。明日、終業式があるが、過去には放送を使い教室で行ったことがある。熱中症は校庭だけでなく、体育館にいてもなる可能性がある。短時間で済ませるなど、各校工夫して行ってもらう。また、夏休み中の部活動に関しても、同様に注意喚起をした。
 具体的な基準としては、日本スポーツ振興センターから出されたもので、湿球黒球温度を指標とするものがある。気温や湿度などを総合して、危険区域になったら運動を中止するという基準になっている。一昨年、各学校の体育館に温度と湿度が分かるものを設置した。適度な活動のために、水分補給や休憩を適宜とるよう指導している。
 校外学習に関しても、時期的に適切か、子どもたちの体調と合わせて実施可能かどうか慎重に判断していきたい。

生涯学習スポーツ課長

 学校開放団体への、熱中症に対する注意喚起についてだが、先ほど学校教育部長からも話があったように体育館には温度と湿度が分かるものが設置されている。これを参考にしながら活動してもらうよう指導している。各学校では、学校開放団体の運営委員会の会議があり年に4回開催されており、その場でも学校の管理職から注意喚起を行っている。また、多くのスポーツ団体は体育協会に加盟しているため、体育協会とも連携を図りながら夏場の活動については注意していく。

委員

 熱中症対策については定例教育委員会でも議題にあがっており、心配していた。教職員の世代交代も進み、ベテランの教職員ではなく新任の教職員が児童・生徒の面倒をみているが、やはり経験が不足しているように感じる。経験不足を補うために、学校長やベテランの教職員が熱中症対策について指導する必要がある。熱中症に対しては臆病でよいと考える。何もなければそれでよいので、慎重に判断していくべきである。

委員

 部活動については、これまでも教育委員会は指導方針を示してきたが、各学校の指導員の方までそれが伝わっていないことがある。教育委員会、学校長、指導員、保護者が共通の認識を持てるように、きちんと話し合う必要がある。

委員

  荷物の件で、自分にも中学生の孫がいるが、荷物を多く持って通学していることで背骨が少し曲がってしまい、頭痛があると言っている。そんな状態でこの先大丈夫なのか不安である。授業では教科書のほかに資料集や問題集を使っていて、それが何教科もあるとすると荷物の多さは深刻ではないか。児童・生徒の健康に影響が出ないように荷物の軽量化は必要だと考える。

委員

 我々が学生だった頃は、部活中に水分を摂ってはいけないと言われる時代だった。現在は、まめに水分補給をするよう指導しているし、水より身体に吸収されやすいスポーツドリンクも多くある。熱中症対策として、どのような行動をするべきか、よく考える必要がある。

市民

 (1)熱中症対策として、プールの授業でも水分補給をできるようにしてほしい。また、水筒の中身についてスポーツドリンクも可にしてほしい。県外には、塩タブレットを配布している小学校もあると聞いた。そういったことも検討してはどうか。

 (2)体育館はエアコンも網戸もない。整備してほしい。

 (3)部活動の関係で、進学の際に越境することは可能か。

 (4)交通指導員を配置してほしい交差点がある。

 (5)パソコン指導について、実用的でないように感じる。この先、使える内容を指導してほしい。

教育総務部長

 小・中学校の教室についてはエアコンが完備されているが、要望にあったように、体育館には設置できていない。授業や、開放団体の活動など多くあり、重要な施策の一つとして考えている。しかし、体育館にエアコンを設置するには莫大な費用がかかるため現在の財政状況では難しい。他市では一部、設置が済んでいるところもある。これから、財政状況を見ながら体育館への設置を検討していきたい。
 網戸についても、体育館は窓の数も多く、面積が大きいものもあるため全てに設置できているわけではないが順次対応していきたい。

教育長

 災害があった際の避難所として、体育館が指定されているが、エアコンがないため夏場は避難所として使うことはできないように思う。しかし、費用を全て市で負担することは現時点では難しい。国の補助金などが出るのであれば検討したい。
 交通指導員に関しては、教育委員会ではなく交通防犯課の管轄である。通学路の点検について提出する際に、要望として伝えてみてはどうか。危険な箇所については教育委員会からも交通防犯課に伝えておく。
 熱中症対策で学校に持ってくる水筒の中身に関しては、明確に定めていないため、校長会で提案し話し合う。

学務課長

 部活動に関しての越境は、住所による指定校に存在しない部活動に入部したいという場合にのみ認められる。

教育支援課長

 プログラミング教育について、小学校の教育課程にどのようにして入れていくか、教育委員会としても話し合っている段階である。プログラミング教育の目的として、プログラミング的思考を養うことと技術を身に付けることがある。実効性を考えるとワードやエクセルなどを教えることも良いが、公教育であるので学習指導要領に沿って授業を行っていく予定である。

市民

 (1)熱中症対策としてスプリンクラーを活用してはどうか。

 (2)エアコンの清掃をしていただきたい。

 (3)雪害で通学路が歩きにくい日があった。融雪剤の使用を呼び掛けるなど、何か対応ができたのではないか。また、毎月通学路について交通防犯課に要望を提出しているが返事がない。

 (4)コミュニティ・スクールについて、地域の方は積極的に参画してくださるが、保護者が消極的である。教育委員会から通知等出していただけないか。

教育総務課長

 スプリンクラーについては全校で設置している。活用については、適度に使用するよう指導している。
 エアコンのメンテナンスは、今年度から計画的に進めている。1台3万円ほどの費用で業者に依頼し、普通教室から特別教室まで3年かけて順次行っていく。軽微な清掃に関しては学校にお願いしてやってもらう。

教育総務課長

 通学路について指摘があったが、所管課が交通防犯課であるため、教育委員会から伝えておく。
 コミュニティ・スクールの保護者への啓発が足りていない認識はある。体育館などを使って説明会を開催する計画があるので積極的に進めていきたい。また、保護者向けの文書も作成していく。

市民

 家庭学習について、宿題に3時間かかることがある。量が適切でないように思うのだが、そういった意見はないか。

教育支援課長

 宿題の目的は、家庭学習を習慣化させることである。授業でやるべき内容が時間内に終わらないから宿題にしているわけではない。一般的に4年生であれば、家庭学習の時間は1日に30分から40分程度が適切とされている。その時間を確保していただき、それ以外の時間を習い事や遊びに使っていただくように家庭内で調整していただきたい。
 宿題が多いという話は何回か耳にした。情報収集をし、対応していきたい。明らかに適切でない量の宿題が出されることがあれば、それは学校に相談していただきたい。

教育長

 宿題の量については議会でも話し合ったことがある。中学校の定期試験前に、普段より多い量の宿題が出されていることがあるようだ。事実確認ができた場合にはその都度指導するようにしている。文部科学省は、子どもたちに学びに向かう力をつけてほしいと示している。意欲的に学習できる環境づくりを進めていきたい。

市民

  登校中の事故等について、学校に連絡をしても繋がらなかった。どう対応すればよいのか。児童・生徒が登校を始める時間には電話が繋がる状態にしてほしい。

教育長

 教員の働き方改革の一環で各学校の電話に留守番電話の機能を入れた。朝8時以前はその機能で電話が繋がらなくなっている。教員の労務管理は教育委員会の業務の一つである。事故等の緊急事態の際には119番通報してほしい。留守番電話の時間設定に関しては校長会で何度も協議をして決定した。御理解いただければありがたい。

学校教育部長

 留守番電話の機能については、教員の働き方改革で入れさせてもらっている。地域の方や保護者にはどうか御協力いただきたい。教員も一労働者であることから、各家庭に配布した文書にはあえて勤務時間を記載した。現在、小学校では8時から、中学校では7時半から電話が繋がる設定になっている。児童・生徒の登校開始時間に設定をするとさらに30分から1時間ほど教員の勤務時間が増えてしまう。教員の中には、もっと家庭と連絡をとりたいという者もいるが、朝7時半から夜8時まで勤務すると1日で4時間の超時間勤務になり、それが続くと1ヶ月に80時間の超時間勤務になる。働き方改革を進める上で、あえて留守番電話の機能を入れているので、御協力をお願いしたい。緊急事態があれば119番を利用してほしい。そうすれば学校や教育委員会にも連絡が入るので対応できる。

4 教育委員の感想

委員

 本日は長時間に渡り、御参会いただき感謝申し上げる。一人でも多くの方に御意見を頂きたかったが、時間の都合上全ての方から御意見を頂戴することができず申し訳ない。
 熱中症対策など、時代と共に変化してきた。水分補給の仕方やエアコンの設置についてなど、機敏に対応していく必要がある。今後の教育行政を進める上でも、気をつけていきたい。

委員

 体育館のエアコンについて、避難所として利用することを考えると早急に対応する必要がある。すぐにエアコンを設置できない場合には冷風機を購入するなど、できることをするべきである。
 これから夏休みが始まるが、家庭でも熱中症対策をする必要がある。公民館のロビーを使うことも可能である。事故、怪我のないよう過ごしてほしい。

委員

 自分の子どもが小学生だった頃には家族でキャンプやプールに行ったり、花火をやったりした。両親が子どもの頃に楽しかったと思うことを子育ての中でやっていけば、もう一度その体験ができる。保育園の送り迎えなど、大変なことも多いが、今思い返すと良い思い出である。
 また、首都圏で暮らすというのはアドバンテージになると考える。プロ野球や、Jリーグなど、観戦に行こうと思えば行くことができる。美術館、博物館、水族館などもある。地方で暮らす子どもは限られている。本物を見せる機会を与えてあげてほしい。
 近年、読書をする子どもが減っている。言葉を増やすためにも本をたくさん読んでほしい。生きていく上で、語彙力や表現力はあったほうがよい。

5 あいさつ

 本日は、御多忙の中、御参会いただき感謝を申し上げる。教育懇談会は、保護者の方や地域の方の御意見を直接聞くことができる貴重な機会である。多方面にわたる御意見、御提言を頂き感謝する。教育委員会としては、安心、安全な場で子どもたちが希望を持って教育を受けられるように、より一層努めていく。本日頂いた御意見は今後の教育行政に活かしていきたい。
 長い夏休みに入る。熱中症に注意をしながら、1学期の疲れを癒し、また2学期へのパワーを蓄える期間にしてほしい。御参会の皆様には御自愛を頂き、なお一層の御健勝を祈念し、閉会の挨拶とさせていただく。


教育懇談会