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武蔵野といえば平林寺とまで言われるほど、その名残を色濃く残しているのが、平林寺境内林です。
国の天然記念物に指定されている雑木林の一隅に、古くから武蔵野の古歌や、詩材にとりあげられる「野火止塚」があります。
今から510年以上も昔、室町時代の文明18年(1486年)冬、関東に下向した聖護院門跡(しょうごいんもんせき)の道興准后(どうこうじゅごう)は、紀行文『廻国雑記(かいこくざっき)』に
…此のあたりな野火とめのつかといふ塚あり…峰火たちまちにやけとまりけるとなむ…
と、地名とその様子を記述しています。
塚の根源をたどると、1,200年前に渡来した新羅人の行った野火によって火田を作る焼畑の農法からきていると言われています。
高さ約6メートルの円形の塚は「平林寺の丘」とよばれる弧立丘(標高50メートル)上にあり、地形的に目立ちます。